小田原北ロータリークラブ(北RC・下田准一会長)と立花学園高校のインターアクトクラブの生徒をはじめとする25人が8月23、24日に、福島県相馬市を訪れ、相馬RC、相馬東高校の生徒らと交流を行った。
被災地の過去と現在や互いの文化を知って交流し、親交と理解を深め震災復興と原発事故を考えることが目的の北RC奉仕事業。昨年のインターアクトクラブ地区大会で高校生が発した「震災に接したい」との言葉を下田会長が汲み、昨年度会長の柴田直明さんに相談。「やろう」と決め準備を進めてきた。
23日の午後、現地につくと、相馬RC、相馬東高校の生徒が出迎え、両校生徒はグループに分かれ、相馬東高生徒は震災当時の話を立花学園高生徒に聞かせた。その場にいた高校生は皆、発災当時は小学低〜中学年。津波で家が流されたこと、家族や親友の喪失、避難所生活の大変さなど、つらいはずの思い出を明るく話をしてくれたという。
インターアクトクラブの鈴木蒼部長(2年)は、「当たり前と思っていた家族の大切さをしみじみ感じた。神奈川は被害が比較的少なく、どこか他人事だったが話を聞いてショックは大。この人たちのために何かしたいし、被災した時のために避難所の確認や物資の準備をしないと」と話した。親睦会では、両校の生徒が一緒にカラオケを楽しみ、連絡先を交換して親交は若い世代に広まった。
翌24日は相馬神社や火力発電所等を見学。発電所では一般の人が撮影した津波の様子を編集した映像を見たり、冷却水の暴走の話を聞き当時を追体験。また、避難誘導中に亡くなった消防団員10人の追悼碑も訪れ命の尊さと人の勇敢さを学んだ。
今年度、この事業の実行委員長を務めた柴田さんは「ロータリー財団の大きな協力もいただき実行でき感無量。今後も立花学園と一緒に奉仕活動を行っていきたい」と話し、下田会長は「高校生のやりたい気持ちを実現できる場があることがわかってもらえたはず。交流は我々から若い世代へも伝播し、輪は大きなものになった」と話した。