童謡詩人・北原白秋が小田原に移り100年の節目となる今年、童謡100年に合わせた催しが市内各所で展開されている。今夏リニューアルした白秋童謡館では現在、19人の作家による「白秋童謡」をテーマにした美術展を開催中だ。
展示されているのは、伝統工芸と現代アートの相互交流を目的としたプロジェクトから派生した「小田原もあ展」の作品たち。和紙の「からたちの花」や寄木の台座にちょこんと止まる「赤い鳥小鳥」、庭先からふわふわと屋根まで飛ぶ「しゃぼん玉」など、歌詞の世界観をそのまま表現したオブジェから、白秋の人間性や世相をイメージし、具現化したものまでおよそ40点が会場のあちこちに散りばめられている。
木製品の廃材を利用したり、寄木職人が本業とは別の素材である糸を用いて創作したり。メンバーの一人、鈴木友子さんは「職人は用途のあるものを仕事として作るが、アートに触れる事でもっと自由な発想でもいいんだと気づかされる」と意義を話す。互いの世界観をぶつけあうことで「刺激しあい、時代にあう『心あるモノ』が生み出せれば」ともあ展代表の露木清勝さんは期待を寄せた。
美術展は10月8日(月・祝)まで。午前10時〜午後5時。(問)市産業政策課【電話】0465・33・1515