陸上の東京選手権が7月23日〜26日に行われ、小田原に練習拠点を置くクレイアーロン竜波選手(相洋AC・18)が男子800mで1分50秒54の大会新記録で優勝した。米国強豪・テキサス農工大への進学前、国内最後のレースで「勝ちにいった。最後気持ち良く終われたので良かった」と清々しい表情を見せた。
昨年、日本記録保持者の川元奨選手(スズキ)を抑え日本選手権を制したクレイ選手。決勝は同選手権さながらの顔ぶれとなり「追われる立場も意識はしていた。タイムより順位を狙う」と序盤から先頭に立つと、最終コーナー手前で再加速。後続の気配を感じ、そこから一気にギアを入れ替える余裕と力を残していた。追い続けた背中をかわして若き王者となってから1年。終始自分のペースでレースを支配できるまでになった今「気持ちの面で成長できた」と貫禄を漂わせる。
だが見据える先は、世界。「高いレベルで自分を磨き、極めたい」と、スピード感の異なる海外で揉まれるべく舞台を移す。日本での実力、世界との距離を知った18歳、ついに旅立つ時が来た。
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クレイ選手の後輩にあたる相洋高校の石川優さん(3年)は女子100mで3位、200mで2位に入った。
実力選手もエントリーする中での健闘に「入賞はうれしい反面、内容もタイムも納得できず悔しい」ときっぱり。優勝を狙った100mでは「弱気が出たかな」と出遅れたスタートを悔やみ、200mは「前半から突っ込めたが体力的にきつく思うように伸びなかった」といずれも課題を得た。秋に控える日本選手権に向け「練習が命。結果を出すためしっかり練習から入っていきたい」と前を向いた。