記者が見た、聞いた、感じた、を伝える あっとほーむデスク 7月24日0:00更新
能面作家の吉田豊さんを、ご自宅で取材した。通されたのは、無数の面が壁に掛けられた部屋。入った途端、その圧倒的な迫力に思わず声が出た。人間や動物を象った能面だけではない。両目を見開いた鬼、温もりさえ感じられるふっくらとした頬の河童、真っ赤な鼻の天狗などが、部屋に立ち入る記者をじろりと見つめているようだった。まるで彫刻刀で木材から抉り出された生命体。命を吹き込んだ熟練の芸術家の手に見入ってしまった。 (坪)