湯河原町ゆかりの鎌倉武士で、源頼朝の旗揚げに尽力したとされる土肥実平の事蹟を顕彰し、後世に伝える団体「土肥会」が10月24日、湯河原町防災コミュニティセンターで創立90周年記念式典を開いた。同会関係者のほか、来賓として冨田幸宏町長らが出席し、長年にわたり活動を続ける同会を祝った。
湯河原町によると、土肥実平は鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』などに活躍が描かれている。源氏再興などのために兵を挙げた源頼朝が1180年、「石橋山合戦」で敗れると、土肥実平が頼朝を導き、かくまったとされている。土肥会によると、実平の尽力が、その後の頼朝による鎌倉幕府の樹立の大きな原動力になったという。
土肥会は1930年、「石橋山合戦」から750年を記念して創立。湯河原町の年中行事の一つで、町内で開催される武者行列などの事業に全面的に協力するなど、町民の郷土愛を育む活動を続けている。
式典会場には、実平にまつわる歴史パネルのほか、歴代の武者行列集合記念写真、これまでの土肥会の歴史研鑽で分かったさまざまな歴史的資料などを展示。また、能楽師・大藏彌太郎さんが創作狂言『土肥実平』を披露し、拍手に包まれた。
同会の深澤昌光会長は「ここまで続けてこられたのは、ご協力頂いた皆さまのおかげ。先人の歴史研鑽を後世に引き継いでいきたい」と話した。