県教育委員会が部活動で優れた取り組みをした団体や個人をたたえる2014年度「かながわ部活ドリーム大賞」に厚木北高校が初のグランプリに選ばれた。部活動の振興に貢献した保護者などのサポーター賞に選ばれた2人の横顔を紹介する。
部の課題を″火消し”
次女が吹奏楽部に所属していることから、昨年7月に吹奏楽部父母会を立ち上げ、部の活動に尽力している鈴木孝文さん(50)。
同部の部員は現在17人と少ないことから、部のサポート面の整備をすることが立ち上げの理由だ。これまでは、コンクールなどの大会があったときには、父母会が発足していないこともあり、親が送り迎えをすることが難しかったという。 部員の少なさをカバーし、生徒の送迎が可能になるとコンクール前の練習時間を確保することができるようになり、部員が練習に打ち込める環境になった。 打楽器などの運搬は大きな負担になるため、「親が手助けすることで、少しでも部員の体力的な負担を軽減できれば。その分、良い環境の中で練習してもらいたい」と生徒への思いを話す。
また、部費を確実に集めることのメリットも。楽器のメンテナンスや部員が増えてきたときに困らないために、楽器の購入費にも充てる。これまで個人で負担していた部分を、部費で賄えるようにしていくという。
北高の良いところは、吹奏楽部が野球部などの運動部と連携しているところだ。演奏会では、野球部員が荷物の運搬を手伝ってくれる。「卒業してもOB、OGのネットワークは大事。サポーター賞に選んでいただき、これからさらに生徒たちをサポートしていきたいという気持ちが高まりました」と笑顔を見せる。今後は、規約も作っていく。3年ほど前からは、硬式野球部の父母会長も務める。
厚木町在住。1983年10月に消防士として奉職。不規則な勤務が続くが、休みの日でもウォーキングは欠かさず、常に体のケアに努めている。一男三女の父親。7人家族。
子どもの笑顔が支え
旭町で飲食店「西津軽」を37年間経営し、同校野球部を約20年間支援してきた菊地忠司さん(71)。
菊地さんは、生徒が一生懸命部活動で頑張っている姿に何か手伝いができないかと思ったことが最初のきっかけだった。子どもの成長を陰からずっと見守り続け「子どもに夢を見させてもらっています。可能性がある限り諦めない、逃げないことを教えてもらいました」と時折声を詰まらせる。
同校野球部の大会があるときには、市場でバナナを買って直接届けている。生徒からは「バナナのおじさん」と親しみを込めてそう呼ばれている。「子どもはかわいいね。声かけてもらえるだけでうれしいんです。思い出はいっぱい」と声を弾ませる。
高校野球で、地元の学校が出場するときは、店を休んでまで応援に駆けつける。一日で2カ所球場を回ることもあるそうだ。春の選抜大会では子どもたちと毎年甲子園見学に行っている。
最後の夏の大会。勝つことができず無念の監督、部長と、肩を震わせ泣きながら抱き合う子どもたちの姿を見て何度も涙した。「子どもの頑張りを見て、私もここまでやってくることができました。誉めても、誉めても誉めたりないです」
何よりもうれしいことは、卒業生が店に飲みに来てくれることだと話す。「あの試合ではバント失敗したよ。あの試合ではダブルプレーで負けちゃったね」と高校時代を語り合い、懐かしむ時間が至福のひとときだ。子どものプレーを間近で見てきた。「いつまでも子どもの美しい笑顔は忘れられない」と飾らない人柄が誰からも愛されている。
愛川町在住。中学はバスケ部、高校では応援団に所属。妻と娘2人の4人家族。
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