「海と船が見える坂道マップ」を作成、第5回よこすか都市景観協議会賞を受賞した 吉田 秀樹さん 港が丘在住 53歳
港町から感じるロマン
○…市内に点在する、港町を見下ろせる撮影スポットを「海と船が見える坂道マップ」として1冊にまとめた。海上自衛隊の船が眼下に広がる汐入地区、街と東京湾がワンフレームに収まる浦上台地区の坂からの景色など、約150枚の写真付き。今月、横須賀の景観を守る優れた活動に贈られる「よこすか都市景観協議会賞」にも選ばれた。「海、船、坂。その3つには街の歴史が詰まっている。地元の人にもっと知ってもらえたら」
○…今から150年前に横須賀製鉄所が建設されて以来、船や工場、人が港に集まり、軍港都市として栄えてきた横須賀。住宅地開発が谷戸や段丘にまでおよび、臨海部との往来のために坂道が発達した。「船や人が行き交う港や坂道は、横須賀発展のルーツ」。近年は、市が抱える課題として扱われることの多い谷戸の空き家群だが、「坂道は当時の繁栄の象徴。街の歴史遺産として光を当てられないか」と思いを巡らす。
○…長瀬にある国土技術政策総合研究所に勤める。専門は、港湾に関する調査や研究。13年前に家族と横須賀に越してきたが、自身は2年ごとに全国各地を単身赴任。神戸や下関、北九州など全国の港町を転々とする中で、「坂からの風景にその土地の歴史あり」と写真を撮り始めた。有名無名にかかわらず、詳細地図の等高線からアテをつけ、休日デジカメ片手に坂をめぐる日々。完成までに約2年かかったが「好きなことだからまったく苦にならない」と得意気にニンマリ。
○…全国の坂愛好家が集まる「坂学会」の一員でもある。マップはそのホームページ上で閲覧可能だ。他にも、横須賀名物ソフトフランスパンや米国文化に関するコラムなど、横須賀を再発見する小ネタがマップには散りばめられている。他都市を数多く見て来たからこそ、わかる横須賀の魅力。港の景色から感じる歴史のロマンに、今日も思いを馳せる。
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