新聞の切り文字を考案、「紙わざ大賞」で入選した 佐竹 しづ子さん 安浦町在住
開いた時のワクワク感
○…使うのは新聞紙とハサミだけ。カラー面を折りたたみ、文字に切り抜く手法を編み出した。このほど製紙企業が主催した「紙わざ大賞」で入選。「多くの人に、切り文字を見てもらえる機会が増えて嬉しい」と笑顔をほころばせた。
○…「夢中になって作っていると時間を忘れてしまう」。10年ほど前のこと。ふと新聞を折り、春という漢字をちぎって開いてみた。思わぬ色柄と、何とも言えない味わいが生まれていた。「新聞の紙質とカラーのグラデーション。開いた時のワクワク感は、いつも新鮮」。そんな”手仕事”は、夫を亡くした空虚感を埋めてくれたものでもあった。ハガキに貼って友人への便りにしたり、文字をコラージュし、一つの絵画として発表することも。製作方法や詩・コメントを添えた作品集も上梓。「しづ子の紙あそび」と題し、楽しみ方も提案する。春・青・笑といった漢字を好んで使うことが多く、文字の持つポジティブな力も作品に込める。今回の受賞作「萌(きざ)し」は、福島に住む兄夫婦を想って作った。「景」という文字を組み合わせた風景画。「一方的かもしれないけれど”想い”が伝われば」。奥ゆかしい優しさがにじむ。
○…山形県で生まれ、結婚で居を構えたのが横須賀だった。「海がそばにあって素敵な街」という第一印象。式を挙げた文化会館は思い出の場所であり、「自慢できる眺望」と微笑む。これまで、コミセンなどで絵を学んだり、仲間と教えあったり。今は、百人一首を筆で記す講座にも通う。作る楽しみ、作品を介したつながりが、生きがいにつながっているのだ。
○…日中は家にひとりだが、4人の孫が訪れると一気に賑やかになる。「時間を持て余すことはないの」とニッコリ。来年の年賀状も酉の文字を組み合わせて構想中。さらに、切り抜いた文字と余った部分を組み合わせたパズルも考案する。「切り文字は誰でもできるし、ひらめきは刺激になる」
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