平均80歳のシニア混成合唱団「コール・アルカディア」の会長を務める 平原 一雄さん 東逸見町在住 79歳
元気の秘訣 音楽にあり
○…「何度やっても人前で歌うのは緊張する」と、3日に行われた自身がリーダーを務める20周年の単独コンサートを振り返る。メンバーの高齢化や減少などにより、月3回行われていた練習も月2回に。椅子に座りながら参加する人も増加。大きな会場での公演開催が難しくなった。それでも「終わってしまう寂しさよりも、楽しい気持ちの方が大きかった」。
○…「カラオケにはよく行く」。趣味の話になると思わず表情が緩む。音楽に本格的に取り組み始めたのは学生時代。バンドを組んでいた親戚の影響でアコーディオンを始めた。「家が買えるくらいの値段」で購入した当時を懐かしむ。現在もコーラスの伴奏で弾くことがある。それだけにとどまらず、ここ10年は社交ダンスにもハマっている。「リズムに触れていると元気になれる」と音楽に関わる趣味ばかりが増えていく。
○…15歳から夜間の定時制高校に通いながら浦賀ドックで働き始めた。45年間勤め上げた会社を定年退職。時間に余裕ができ、何かを始めようと考えていた矢先、初代会長に誘われ会の活動に参加。「今思えば、幼稚園の時から歌うことが大好きだった」。楽譜を見ながら歌うことはしない。「合唱は歌詞を忘れても、誰かが覚えていれば大丈夫。だから、物忘れの激しいシニアでも続けていられる」とおどけた。
○…コンサート終了後に「参加したいという電話がいくつもかかってくる」と白い歯をのぞかせながら喜ぶ。「自分たちの歌を聴いて、活動に興味を持ってくれた人がいたことが何よりもうれしい」。単独公演は最後を迎えてしまったが、これからもコール・アルカディアとして合唱するのは変わらない。大きな舞台に立つことは目標であり、決して目的ではない。あくまでみんなで合唱することに意味がある。「これからもまだまだ歌い続ける」。メンバーの平均年齢はまだまだ上がっていきそうだ。
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