逸見駅近くに活動発信拠点を開設した「コロボックルの会」会長を務める 金子 浩吉さん 西逸見在住 75歳
拠点でつながる歴史と自然
○…塚山公園の廃材や竹を用いた”小屋”は、まさに「コロボックルシリーズ」に出てきそうな雰囲気。逸見駅近くに地元の自然・歴史、三浦按針や逸見出身の佐藤さとるさんの著作に関連した発信拠点を設けた。
○…会の結成は昨年秋。自身は塚山公園保存会のボランティアで整備に携わり、ガイドを買って出る日々。さらには、按針の業績や魅力に触れて「うんと勉強した」。地域で活動する仲間たちの得意分野も、同様に多種多様。「地元の大きな柱として据えられるものはないか」と思案した時に”コロボックル”が浮かんだ。ファンタジーの名作に影響を与えた、この街の自然環境。逸見ならではの特色を発信したい―と、年末から拠点づくりに着手。会員の倉庫を借り、メンバーの手作業で完成させた。「佐藤さんの世界をうまく解釈できたかな」。病床を見舞い、会員が描いた里山の地図にはサインももらった。残念ながら、お披露目に立ち会うことは叶わなかったが、「晩年に会えてよかった。物語を通すと、山が違って見えるんだよ。足もとに小人がいるかもって」
○…逸見駅に初めて降り立ったのは今から40年以上前。ホームから見えた星空と静寂感、そして澄んだ空気―「この景色に惚れた」と一言。結婚を機に越してきたが、当時の勤務先は銀座の中心地。電車を下りながら小さな町に帰るのも、案外心地よかった。「外から来た者だったからこそ、その価値を客観的に見ることができた」。縁あって暮らしている街。「多くの魅力ある”点”を”面”にして大きく広げていきたい」と気持ちを新たにする。
○…半日で既に歩数計は8500。「山や坂を歩くだけ。病気知らずだよ」とニッコリ。この時期の塚山は桜が代表的だが、アマナなど稀少な草花も群生する。ガイドを通して「今日は来てよかった、儲かったと思ってもらいたい」。そう話すとひと休みして、再び山へ向かっていった。
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