年間3億円といわれるプロバスケットボールチームの運営費。主な収益の柱になるのが試合の入場チケットとスポンサー、スクールなど各事業の3つだ。
参入2年目でリーグ優勝を果たした一方、運営面では「マンパワー不足で思うように営業活動が進まず、目標に遠く及ばなかった」と廣田和生球団会長(52)は振り返る。運営会社の社員は3人、支配下選手12人というチーム規模はプロ野球、横浜DeNAやサッカーJ1の横浜F・マリノスと比べて10分の1程度。運営面の役割分担とマンパワー強化のため、7月から大手広告通信社=東京都=にチーム運営を委託し、新体制で3季目に挑む。
チケット収益のみに頼らない運営のために必要なのがスクール事業だ。会員数はサッカーJ1、湘南ベルマーレの約1700人に対し、ビーコルは250人にとどまる。対象学年は小1〜中3で、「(ホーム戦入場パスが特典の)会員が増えれば、家族も含めて集客につながる」と廣田会長。低学年層を中心に、放課後児童の新たな受け入れ先としての計画も進んでおり、スクール会員数2千人を来季目標に据える。
横浜を中心に、平塚などホーム戦の集客増を掲げた今季(昨年10月〜4月)の観客動員数は1試合平均1444人で横ばい。全52試合の半数にあたるホーム戦は1203人で、リーグ平均1516人に届かなかったが、前年比約150人増と一定の成果は見られた。
その要因の一つに、費用をかけない地道な情報発信がある。チームの選手やコーチ、スタッフ、チアリーダーに加え、中心的存在のファン(コアブースター)がフェイスブック、ツイッターなどインターネット(SNS)を活用し、試合やイベント情報を配信。さまざまな立場の発信者がいたことで、幅広いファン獲得につながったようだ。―続く
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