「みんな おかえりー!」。この文字とともに、ドラゴンの背中に乗った子どもが、楽しげな顔をしている壁画が5日、荏田東の自転車歩行者専用道路「中の瀬地下道」に完成した。
壁画の制作を担当したのは、県立新栄高校美術部に所属する生徒、約20人。7月25日から作業を開始し、10日間かけて、長さ18m90cmの壁画を描いた。美術用の木炭を使い、下絵を描いた後、美術部員が分担して耐水性のペンキで色を付けていった。
作品「残せて嬉しい」
「子どもたちの夢と未来」をコンセプトに昨夏、今回とは反対側に心優しいドラゴンが児童を乗せて旅にでる壁画を作成。今回は、そのストーリーの続きで「ハッピーランド」で遊んできた子どもが竜の背中に乗り、帰宅するシーンが描かれている。
さらにオレンジ色の夕焼け空に浮かぶのは、パンダや熊、もぐら、猫などの可愛い動物たち。部員が思い思いのキャラクターを描いた。うさぎやてんとう虫を描いた同部の古屋美希さん(1年)は「大きな壁画に描くのは初めてだったので緊張した。自分の絵が残せて嬉しい」と笑顔を見せた。 また、昨年に続き2年目の参加となった篠原美瑠部長(3年)「普段は小さなキャンバスに描いているけど、壁画は大きくて大変だった」と話す。同校美術科の齊藤善貴教諭(62)は「壁がでこぼこしているので、色塗り作業が難しかった。部員には夏休みの良い思い出になった」と語る。
治安維持に一役
中の瀬地下道には数年前から落書きがあり、都筑土木事務所が落書きを消しても、また書かれるといういたちごっこが続いていた。そこで、つづきの丘小学校のスクールゾーン・防犯対策協議会が同事務所や都筑警察署、学校関係者と話しを進め、壁画作成が実現。 つづきの丘小PTA副会長の香川こず枝さん(41)は「昨年の夏以来、落書きがなくなったので安心している」と胸をなでおろす。土木事務所の小島淳副所長(52)も「アート作品が防犯にもつながっているのでは。高校生、地域の人に大変感謝している」と話した。
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