フェリス女学院大学の新学長 秋岡 陽さん 東京都在住 57歳
学んだ「音楽」を伝える
○…キリシタン禁制の高札が掲げられていた1870(明治3)年、アメリカ人宣教師により創設された日本初の女子ミッションスクールの歴史をどう継いでいくか、女子大としてどう存在していくか。教育理念”For Others”のもと、学生たちが積極的に取り組む環境問題、多文化共生に向けた地域活動、ボランティア活動等に注力するほか、緑園・山手の両大学キャンパスと山手の中学・高校が一つとなった”All Ferris”を目指していく。
○…「日本の音大は実技がメーン。音楽を学問としてでき、研究ができるのが面白い」と大学卒業後、とにかく勉強したい一心で、渡米。キリスト教『讃美歌』など宗教音楽に関心があり、シカゴ大学大学院で西洋音楽史を専攻した。30歳を前に就職を考え帰国。音楽関係のマスコミを志し、音楽之友社入社試験に臨むも100倍以上の難関で涙をのんだ。が、3月31日に急遽声がかかった。
○…同社国際出版部で海外出版社とクラシック音楽の契約ライセンスに関する連携を担ったほか、音楽辞典の編集に時を費やした。1冊つくるのに3年はかかるも「自分が学生時代に学んだことが給料になる。自分の勉強が何かに結びつき、目に見える形で役に立つのは楽しい。これは学生にも伝えたいこと」。2月21日に放送されたNHKクローズアップ現代『世界を魅了する日本の歌謡曲〜由紀さおりヒットの秘密』では取材を受け、そのコメントが紹介された。
○…1993年、フェリス女学院大学音楽学部専任講師となり、音楽史を担当。クラッシック音楽やジャズ、ポップスなどジャンルを超えて学べる音楽芸術学科は「大ヒット」し、志願者が増加している。地域住民向けの公開講座が好評で、子どもが参加できる親子講座も企画している。「学生たちの刺激になる」という地域でのコンサートを含め、今後も大学と地域の関係強化を図っていく。
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