「夜になると猫が集まって踊る」という言い伝えが残る、踊場が舞台の大人向け紙芝居『おどりばダンスホール』がこのほど、雲母(きらら)書房から出版された。
脚本と絵を手掛けたのは、1983年から10年近く中和田中学校で社会科を教えた元教員で、南区に住む主婦の片岡直子さん。
片岡さんは教員として働き、退職後に手作り絵本や紙芝居作りを開始。約20年間、オリジナルの作品を描き続けているが、出版されたのは初めて。
作品は、妻に先立たれた元鳶職人の「げんさん」がまちのダンスホールで人気者となったが、ふとしたことから家に引きこもるようになる。ある日の夜、飼い猫がめかし込んで出掛けるのを不思議に思い、後を付けていくと信じられない光景を目にする――というストーリー。
「両親はダンスが好きで、ホールで知り合って結婚したほど。いつか題材にしたかった」という片岡さん。「げんさん」は父がモデルだという。中和田中勤務時代から「踊場の言い伝えを知っており、親しみを感じていた」といい、ダンスと組み合わせたストーリーで「猫の踊場」を登場させようと考えた。
高齢者に人気
2010年に作品を制作。その年の紙芝居コンクールで入選したことがきっかけで「見ると元気になる」と高齢者施設の関係者などから作品のコピーを求める依頼が相次いだ。昨年、介護や医療関係の本・紙芝居を扱う雲母書房に作品を持ち込み、出版が実現した。
片岡さんは「どんな人がどんなところで見てくれるだろうと思うとワクワクする」と話す。
作品は2520円。問い合わせは雲母書房【フリーダイヤル】0120・60・3343。
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