泉区 「地中熱利用」普及に向け 区庁舎で今秋、実証実験
泉区は5月31日、2013年度環境行動目標を発表した。農を生かしたまちづくりやごみ減量化、脱温暖化に向けた普及啓発などを示したもので、10月頃には区庁舎で「地中熱利用」の実証実験を行う。
地中熱は地表から深さ約200メートルの地中にある熱のことで、再生可能エネルギーとして2010年に国から認定された。温度は年間を通して一定に保たれており、これを地面から取り出し冷暖房や給湯に用いるのが「地中熱利用」だ。
泉区は地下水が豊富で地下地質の熱伝導率が高く、地中熱利用に適した地質とされる。区は2012年、NPO法人に委託し地中熱利用の普及可能性について調査を実施。夏期の冷房運転時の消費電力がエアコン使用時と比べ平均41%削減できることなどを確認した。
10月頃をめどに行われる実証実験は、区役所1階の会議室に空調設備を導入し、コスト面のほか節電や地球温暖化防止等、環境面の効果を確認していく。区は病院や学校などで地中熱利用を徐々に増やし、将来的には一般家庭への普及を目指す。
区内ではフェリス女学院大学(緑園)が地中熱利用の一つであるクール(ヒート)チューブを2005年から体育館に導入しており、屋根の散水装置と併用していることもあり効果が出ているという。
地中熱利用には設備導入時のコスト面など課題はあるが、泉区区政推進課では「地中熱という言葉をまず知ってもらい、関心を持ってもらうことから始めたい」と話している。
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