日本居合道協会所属の有心義塾高田道場横浜支部長で初の体験教室を開催する 諸岡 太一さん 戸塚区汲沢在住 85歳
広く知ってもらう機会に
○…450年来続く日本古来の武道に魅せられ、69歳で居合道を始めた。「子どものころから好きだった」という憧れの世界に入門し、毎週日曜に中田中学校の格技場で稽古を重ねる。入門当初は稽古後に帰宅するとすぐ復習していたといい、犬の散歩をしながら刀を振り続けた。「稽古、稽古、稽古。稽古をしないと覚えられない」。努力を重ね、六段の腕前に。
○…房総半島の南部、千葉・金谷出身。14歳のとき木更津海軍航空隊に入り、見習工に。厳しいしつけを受けたが「鍛えるのはいいこと。ピシッとなっていい世界」と振り返る。自宅には米空母「ジョージ・ワシントン」の名が入った帽子等が並ぶ。横須賀海軍のイベント等を訪れ、手に入れたものだ。「ああいうところに行って、号令を聞くと体がハッとする」
○…物作りが好きで終戦後は家具職人を志した。少しでも多く技を覚えようと複数の職人のもとを渡り歩き、柏尾川沿いにある高島屋の工作所へ。店内売り場の装飾家具等を約20年間、作り続けた。今でも日曜の稽古以外は、自宅前の工房で家具づくりを行うのが日課だ。機械ではなく手作業で木を切るのがこだわりで、自宅の家具は全て自作のもの。工房には樹齢200年以上とみられる御霊神社の御神木を切った板があり、木目が美しい板に妻の弘子さんによる書を一緒に飾る夫婦合作を作る予定だ。
○…毎年2月に御霊神社で奉納演武を行う同協会有心義塾「高田道場」塾長で居合道範士十段の高田學道氏に心酔する。「背中にまな板があるのかと思うくらい姿勢が良くて、まじめ」という高田氏が指導者となり、11月30日に中田中学校格技場で初めて開催するのが体験教室だ。近年は定年を機に入る人に加え、若い世代の入門も多く、居合道をより広く知ってほしいと企画した。「若い人と接すると若くなる」。新たな仲間と刀を振るときを心待ちにしている。
|
|
|
|
|
|