アジアマスターズ陸上競技選手権で大会MVPに輝いた 玄蕃(げんば)昌子さん 中田西在住 75歳
いつも謙虚な力持ち
○…身長162センチ、体重63キロ。投てき種目の選手としては小柄だというが、拳に力を込めてもらうと、二の腕の筋肉がボコッとふくれあがる。これまで大会での優勝経験は数知れず。家の中には置き場に困るほどのトロフィーやメダルが並ぶ。それでもアジア新記録の樹立は初めてで「考えてもいなかったので、やっぱり嬉しいですよ」と白い歯がこぼれる。円盤投、砲丸投と出場2種目ともに優勝・新記録の離れ業で、大会のMVPにも選ばれた。
〇…女2人、男5人の7人きょうだいで、遊びはいつも男の子と一緒。「おままごとなんてしたことない」と振り返るが、これが生まれ持った運動神経に磨きをかけた。中学では陸上部とバレーボール部を兼任。高校ではインターハイにも出場し、その後実業団入りした。スポーツは結婚、子育てを経て休んでいたが、32歳の時にママさんバレーで復帰。アタッカーとして活躍するも、55歳の時に転機が訪れる。年齢を重ねても衰えないその足腰とパワーに目を付けた知人がマスターズ出場を薦めた。
〇…初出場以来、優勝を重ねる圧倒的な強さの裏にはハードワークがあるのかと思いきや、そうでもない。
「家の庭で円盤を投げるわけにもいかないし」という言葉が表すように、日々の練習はジム通いと週1回の三ツ沢競技場での練習のみ。「無理をするのが一番よくないので」と自分の身体は熟知している。練習時は誰にでも積極的に教えを請うのが基本姿勢。いい所は何でも取り入れ自分の肥やしに変えていく。
〇…ぴんと伸びた背筋にはきはきとした受け答え。これまで病気をしたこともないと言い「健康な身体をもらった親には感謝ですね」とにこやか。本人曰く始める前は慎重だが、動き出したらのめり込むタイプだそうで、フラダンスに鎌倉彫と文化系の一面も。勝ち続ける難しさを楽しみに変え「90歳でもアジアで優勝」が今後のターゲットだ。
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