もし公演中に大地震が起きてしまったら―。泉区民文化センターテアトルフォンテ(玉ノ井衛館長)で来年3月に公演中の大地震を想定した「避難訓練コンサート」が初めて実施される。スタッフ誘導のもと観客が避難。訓練終了後はコンサートが再開される。
2011年に発生した東日本大震災を契機に、県内外で実施されている同訓練。指定管理者である「神奈川共立・アズビル共同事業体」が運営する鶴見区や栄区の区民文化センターでは既に実施していることもあり、今回、テアトルフォンテでも初めて実施することになった。
地域の文化発信拠点として演劇や芸術、文化活動を支えて21年の同館。ホールの収容人数が最大350席に対し、常駐するスタッフは多くても7人程度。「有事は少ない人数でどうやりくりするかが課題」と事業責任者の小浜洋さんは話す。職員は年に2度防災研修を受けており、先日も休館日を利用して避難想定の研修を行ったが、職員のみの擬似的なものだった。観客を入れた今回の取組みは現実に起こりうる状況を想定したもので、アナウンスから非常扉への誘導、外への避難までの一連を行う。
利用者の安全安心守る
観客だけではなく、ステージに立つ出演者も対象になる。当日はコンサートの開演中の大地震発生を想定し、出演者もともに避難する。照明器具の落下や演奏楽器の保護などあらゆる状況を想定。舞台スタッフと施設職員が話し合いを重ね、有事に備える。小浜さんは栄区民文化センターで9月に行われた同様の訓練に観客の一人として参加したことを踏まえ「観客の不安を煽らないよう、声一つかけるところから準備を入念にしていきたい」と話す。
開催内容など詳細は12月15日(月)にHPにて公開予定。申し込み受付けは同月22日(月)から始まる。コンサートは入場無料で先着200人。小浜さんは「災害はいつ発生するか分からない。備えとして多くの人にご参加いただきたい。職員も安全、安心な施設だとわかっていただけるよう、気を引き締めていきたい」と話している。
泉区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|