太鼓・囃子の10団体からなる「泉郷土芸能保存会」の会長を務める 伊藤 好男さん 岡津町在住 69歳
失敗は恐れずに
○…毎年6月に開催する「太鼓・お囃子フェスティバル」を目前に控える。保存会に所属する和太鼓と囃子の10団体が一堂に会し、個性あふれる演奏を披露する。今回の見どころは、太鼓団体合同のフィナーレ。演奏するのは保存会オリジナルの楽曲だ。「楽譜と音源を配って、各団体で練習してきてもらう。リハーサルなしで本番」。50人以上による舞台は圧巻だ。
○…保存会に所属する岡津太鼓、岡津囃子連の会長も務める。岡津囃子連は歴史が古く、数百年に渡り引き継がれてきた。岡津太鼓は発足して20年ほどになる。「盆踊りの太鼓が叩きたい」という思いから始まり、今では約60人が所属する大所帯になった。最近は「人数も多いし、やりたい人優先」と自身は第一線から退いている。川崎から指導者を招いて学んだ「創作太鼓」も取り入れており、区外でのイベントにも出演。港湾局からの依頼で横浜港に入港した外国客船のために演奏した回数は数えきれないほど。「ほとんどの船に演奏したんじゃないかな」。
○…静岡県出身。会社勤めをしていたが、脱サラし岡津町に建築会社を立ち上げた。現在は息子に引き継ぎ、自分の時間を持つように。趣味は木材を使った知恵の輪やパズル、ゲーム作り。建築業を営んできただけあって、木の扱いはお手の物。太鼓の台や竹を使った自在鉤なども自信作だ。知恵の輪の仕組みを解説する表情は少年のよう。「近所の子どもたちに遊んでもらおうと思って。『これ外せるか?』なんて言ってね」
○…「太鼓は叩けば音が出る。バチの持ち方、叩き方を覚えれば誰でもすぐに楽しめるのが良いところ」。メンバーは幼稚園児から上は80代まで。大太鼓を担当する女性もいる。「明るく楽しく元気よく。失敗を恐れないことが大切」と目を細める。「次の節目を迎えるときには変わった出し物をやりたい。会のPRもしないと」。郷土芸能の伝承のため、さらに先を見据える。
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