市の消防操法技術訓練会に出場する第5分団の分団長を務める 安西 史雄さん 和泉が丘在住 71歳
「誰かがやらなきゃ」
○…泉区内に5つある、消防団の代表として、第5分団から6人の精鋭が放水技術を競う10月の市大会に出場する。出場者は30代の団員が中心。「若手は仕事をしている人が多く、力や技術があっても練習に参加しづらいなど人選は難しかった。大会では素早さや技術の他に礼式も重要」。上位入賞を目指し、仕事終わりに練習を重ねている。
○…第5分団には20代から70代まで、女性を含む64人が所属。分団長を引き受けたのは68歳の時。本来、消防団の定年は70歳で、4年間の任期中に定年を迎える状況だったが、「その時ほかに誰もいないし、もう自分がやるしかって。延長願いを出したよ」。泉区は大きな災害が少ないというが「だからといって安心しきってはいけないね」。地域で火災があれば消火活動、台風が来れば地域の見回りに避難誘導と、地域住民を守る最も身近な存在である消防団。大きな使命感を小柄な背中に背負う。
○…20代の時は勤めに出ていたが、約40年前に生コンクリートを取り扱う(株)永新建材を兄から引き継いだ。消防団に入ったのもその時期。「当時の分団長から何度も頼み込まれて。なんとなく続けてきたような感じ……なんて言うと怒られちゃうかな」と茶目っ気たっぷりに話す。毎日の仕事に加え、休日も町内の行事に参加、緊急時には消防団として出動――。忙しくても続けてきたのは、地域のためという思いがあるからこそ。「できない、できないって言っててもね。誰かがやらなきゃ」という言葉には使命感が宿る。
○…現在、各地の消防団で課題となっているのが団員不足。泉区内も定員に対し約2割足りない状況だ。特に少ない若い世代の入団に頭を悩ませているという。「大変なイメージがあるんだろうね。思っているほど辛いものではないよ。今ちょうど消防団のドラマもやってるし、そういうところからでも若い人に興味を持ってもらえたら」。
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