通信制の県立横浜修悠館高校の音楽研究部がこの春、県教育委員会や県高校文化連盟から立て続けに表彰された。泉区内のイベント出演のほか、昨年秋に完成させたオリジナルの合唱曲『つばさ』への熱心な取り組みが高い評価を受けている。
通信制のため、平日に通学する人、日曜日に通学する人、年齢も環境もさまざまな同校。中でも現在注目を集めているのが音楽研究部だ。区内でのイベントにも出演しており、地元町内会での演奏はもっとも好評を博した。合唱や合奏が活動のメーンだったが、昨年夏、部名に「研究」と付くのだから1曲作ってみようと部内で提案があった。呼びかけたのは、作曲経験がある当時の部長・内田拓海さん。初めての挑戦に困惑した部員もいたが、秋の文化祭で披露することを目標に定め、曲作りを開始した。
学校をテーマに
作曲は内田さんが大部分を担当することになったが、作詞はどの部員も初めて。まずは自分たちが通う学校をテーマに決め、思い浮かぶキーワードを出し合った。挙がったのは「輝く」「夢」「希望」といった明るい未来を表す言葉、「自由」「個性」「多様性」などの校風や生徒を表す言葉、そして校章からイメージした「青」「鳥」など。ここから大河原理緒さんが歌詞のベースを作り、卒業生の若井美桜さんが手直して、部員に発表した。曲・歌詞それぞれに、意見を出し合い、改良を重ねできあがったのが混声二部合唱『つばさ』だ。もがき、傷つき、泣いたこともある「自分」が、学校をイメージした「青い鳥」に夢を託し、未来へ飛び立つという歌詞に、かろやかで繊細なメロディーが合わさる。大河原さんは「初めてのことだったので、国語科の先生にアドバイスをいただいたりもしました。制作期間が2カ月ほどしかなく大変でした」と話すが、その表情は達成感にあふれている。
文化祭での発表を無事に終えるも「まだ完成ではない」と、さらにアレンジを加え、混声四部合唱として卒業式や県定通芸術祭などで披露。部初の挑戦と楽曲の出来は、県教委などから高い評価を受け、2月、3月に3つの賞を受賞した。だが部員は「まだ改良の余地がある。この曲はずっと完成しないかもしれない」とさらなる意欲を見せる。
『つばさ』は今後、出演するイベントや10月に初出場する「第11回青春かながわ校歌祭」などでも披露する予定だ。
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