いずみ野小学校が1978年の開校以来続けている地産地消の取り組みが評価され、全国の小中学校などの自然体験活動を表彰する「第15回トムソーヤースクール企画コンテスト」で推奨モデル特別賞を受賞した。
同コンテストは、子どもたちの自活力や協調性を育む自然体験活動を推進しようと、日清食品の創業者・安藤百福氏が創設した(公財)安藤スポーツ・食文化振興財団が主催しているもの。後援は文部科学省、横浜市、市教育委員会。今年は全国の小中学校や自然体験活動を行う団体から200以上の応募があり、7月に審査で選ばれた50団体に活動の実施支援金が贈られた。その後、活動の経過などを踏まえて、その中から16団体を各賞に選定。1月28日には中区のカップヌードルミュージアムで表彰式が行われた。いずみ野小は、農業が伝統として根付いていることや野菜を売った収益を募金するといった社会貢献等が評価され、推奨モデル特別賞を受賞。齊藤由香校長は「子どもたちはピンときていない様子。育てるのは大変だけど、おいしいものが食べられて、周りの人も喜んでくれる。それがうれしいみたい」と話す。
同校では農家が多い地の利を生かし、農家や住民の協力を得ながら開校以来40年近く農業に取り組んできた。1〜3年生はサツマイモ、4〜6年生はもち米作りに挑戦。もち米作りでは、毎年前年のもみから育てており、収穫量は天候にもよるが毎年300kgほど。これだけの規模で米作りをしている学校は市内でも少ないという。店頭で何でも簡単に手に入ってしまう時代だからこそ、「農業の大変さや自然の厳しさを体験し、味わうことで心の成長につなげたい」という思いがある。
この取り組みがきっかけで農業への興味を持ち、さらに活動をしたいと集まった児童有志で結成されたのが「学び隊」だ。「究極の地産地消集団」を目指し、2005年に発足。4年生以上の希望者が5月から12月まで週に2回、授業が始まる前に集まり、近隣農家の横山正美さんから借りた畑で野菜作りを行っている。横山さんは元々「野菜作りを通して、命の大切さやつながりを知ってほしい」と考えており、当時の校長からの依頼を受け、学び隊の指導を行ってきた。今年度は47人の児童が参加。夏はトマトやナス、冬はダイコンやハクサイ等を育て、収穫後は児童が家庭へ持ち帰ったほか、学校給食にも活用してきた。
さらに今年度は児童の発案でもちつき大会で使う「きなこ」を作りに挑戦。材料の大豆作りは2度目。昨年度は失敗したが反省を生かし、今回は育て方を調べ直し、夏休み中も気を抜かず世話を続けた。虫を丁寧に取り除き、草取りや水やりにも気を張ったおかげか、今年は成功。資料室にある石臼を使い、きなこが完成。市販品とは違った味と香りに児童も大喜びだったという。「これまでは教育の一環で、コンテストに応募したことはなかったが、この受賞が子どもたちの活動のさらなる励みになればうれしい」と齊藤校長は語った。
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