横浜市が2016年の交通事故発生状況をこのほど発表した。泉区内では昨年1年間の人身事故発生件数は401件(前年比21件減)だった。全体の事故件数は減少傾向にあるが、この内65歳以上の高齢者が関連する事故は153件で、横ばいの状態が続いている。
昨年、市内では前年比316件減の1万81件の交通事故が発生している。死者数は同23人減の49人で、記録が残る1948年以降過去最少だった。
泉区内での発生件数は21件減の401件で、死者数は1人減の2人だった。区の傾向としては、全体での件数は減少しているものの、65歳以上の高齢者による事故件数は増加した。事故全体に占める高齢者が関連する事故の割合は、市内で2番目に多い38・2%となっている=図。
泉警察署によると、高齢者が関連する事故の多くは自動車運転中のもので、その数は153件中119件、77・8%を占めるという。
泉署によると、事故データを分析すると、高齢者の自動車事故には大きな特徴があることも分かっている。1つは「ミラーで見たつもりだった」など、安全確認が不十分であることが圧倒的に多いことだ。ほかにも「考え事をしていた」「止まってくれるだろう」などの前方不注視や動静不注視もよく見られるという。
2つ目は、事故発生場所が自宅から近い場所に集中していることだ。「普段から通り慣れた道だから」と確認を十分にしないことなどが要因の1つと考えられるという。長谷善明副署長は「しっかりと確認をしていれば防げたケースがほとんど。慣れている場所こそ、よく確認をするよう心がけてほしい」と呼びかける。
増える免許返納
昨年10月末に港南区で高齢者が小学生を巻き込んだ事故が発生。全国的に高齢者の免許返納が増えてきているという。
泉署でも運転免許の返納申請件数はここ数年で大幅に増加しているという。昨年は460件の申請があった。これは前年比100件増で、5年前と比べると3倍以上にもなる。月別では、同事故直後の11月がもっとも申請数が多かったという。返納者の中には、自分で身体機能や判断力の衰えを感じて申請をする人のほか、家族に説得され訪れる人もいたという。
「中には署で、運転経歴証明書の説明を聞き、返納申請を決断された方もいました」と長谷副署長。運転経歴証明書は1000円の手数料で発行でき、本人確認書類として使用できる。期限はなく、更新の必要もない。
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