1966年から続く日動画廊主催の公募展「昭和会展」の今年度受賞者がこのほど発表され、岡津町在住の松本亮平さんがグランプリにあたる昭和会賞を受賞した。3年連続の入選を経ての念願の受賞。
昭和会展は、有望な若手作家の発見や育成を目的に1965年に現日動画廊社長によって創設された公募展。今年は64人の応募があり、その中から昭和会賞を筆頭に4点が選ばれたほか、17点が入選している。
松本さんは2013年に早稲田大学大学院先進理工学研究科の電気・情報生命専攻を修了。その後、絵描きとして活動する中で昭和会賞の受賞は憧れだったという。
当初は夢に近いものだったというが、2016年から3年連続で入選を続ける中で、目標として現実味を帯び始め、今回4度目の挑戦でついに栄冠を手にした。
受賞作品は、文化にはどのような価値があるのかを問う「Catastrophe」と「Recreation」からなる対作品だ。
一方の、屏風の上で洪水に耐える象や鶏は危機的状況の中で文化に何ができるのかを問い、もう一方は、屏風で救われた象や鶏が洪水で壊れた屏風を再現することで、文化の復興を表現した。江戸中期の画家「伊藤若冲」の「象と鯨図屏風」を画中画として引用しているのも特徴。審査員からは「テクニックも着想も非常に練られ、格段に丁寧で愉しい画面」「昭和会が問い続ける具象画・平面画の意味をしっかりと示し、昭和会賞にふさわしい」と絶賛された。
受賞を受け松本さんは「歴史ある賞をいただき、大変光栄に思っています。過去の受賞作家は私の憧れの方ばかりで、これから賞に恥じぬ作品をつくることができるように精進したい」と話す。
現在、日本国内での展示に加え、アジアを中心としたフェアなど、活躍の場を広げている松本さん。今後は日本の古典をより勉強し、その上で今の時代に生きる自分自身の作品を作りながら、日本の文化として、国際的に発信していくことを目指すという。
受賞作品は3月22日(金)から4月2日(火)まで日動画廊本店(東京都中央区銀座5の3の16)で展示される。
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