泉警察署長に就任した 小林 仁司さん 59歳
愛と努力で地域を守る
○…「今、自分がいるこの地を単なる職場と考えないでほしい。地元愛を持つことで、見え方も行動も変わってくるから」。着任初日、署員らに送ったメッセージは、住民の安心と安全を守るために走り続けてきた自身のモットーでもある。泉区に来て早1カ月。「あっという間に過ぎた」と振り返るが、歴代署長から聞かされていた通りの豊かな自然と人の温かさに触れ”地元愛”を深めているところだ。
○…「事件や事故を一件でも多く減らし、治安向上に努めるのが私の仕事」。昨今の事情を鑑み、特に注意しているのは特殊詐欺だ。既に署員らが地域の高齢者会合などに積極的に出向き、被害防止に向けた呼びかけを進めている。今後はこれに加え、簡易型の通話録音機のさらなる普及に向けて力を入れていく考え。「今、使用の電話に録音機能を追加することで被害防止につなげてもらいたい」と意気込む。
○…泉署は自身にとって21所属目。これまで赴任した先で関わってきた一つひとつの仕事が今の自分を作っていると感じている。途中、難しい時期もあったが、振り返れば、それはいつしか自分を支えるつっかえ棒になっていた。「あの時を思えばと感じられるという意味では、よい経験だったのかもしれない」。時折冗談を交えて場を和ませ、威圧感を与えない丁寧な語り口が印象的だ。
○…父の背中を見て警察に進み、その背中を見た息子もまた、警察官になっている。目の前の仕事に全力投球し、心を込めて仕事にあたる「努力」の精神は3代共通。たまに顔を合わせるのが楽しみの一つだ。釣り好きが高じていつしか料理も得意になった。一家が集まるともてなすのは決まって自身の方。「お造りにフライ、そう、なんでもいけるね」とほほ笑んだ。
|
|
|
|
|
|