生活・文化に寄与する優れた技能職者を横浜市が選定する「横浜マイスター」。今年度の選定結果がこのほど発表され、泉区内に工務店を構える建設大工の三枝哲弥さん(50)が選ばれた。
地域の技能職者の代表として、貴重な技能の継承や後継者の育成を行う横浜マイスター。1996年に選定事業がスタートし、これまでに64人(故人含む)が選ばれている。
住宅建設の際に木材同士をつなぐ技法「継ぎ手」の高い技術が評価された三枝さん。現代では工場であらかじめ機械で加工したプレカット材が主流となるなか、三枝さんは手作りした道具を用いて、木材に加工をするための目印をつける「墨付け」やその目印に合わせて加工する「刻み」、その後の組み立たて等を全て手作業で行う。とりわけ、梁や桁の伝統的な継ぎ手「追っかけ大栓継ぎ」の技法に優れ、横浜市優秀技能者表彰も受賞している。
父の姿追い大工の世界へ
高校卒業後、一般企業に就職するも、幼い頃から憧れていた職人の父の姿が忘れられず、大工の世界へ飛び込んだ。旭区の会社で在来工法による建築大工の業務に携わり、約10年間修行。2003年に区内に三枝工務店を立ち上げた。
市内を中心に毎日忙しく現場を飛び回る傍ら、力を入れるのが大工仕事の魅力発信。「よこはま技能まつり」などの技能職のイベントで先人たちの技術や知恵を若い世代に広めている。今後について「同じ現場はひとつもない。日々勉強し、目の前の仕事を全力でやっていくだけです」と意気込みを語った。
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