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「できること知ってほしい」 認知症高齢者が店前を清掃

社会

公開:2022年3月3日

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歩道のごみ拾いに留まらず、吹き溜まりの落葉回収や除草なども行う
歩道のごみ拾いに留まらず、吹き溜まりの落葉回収や除草なども行う

 中田東にある神奈川ダイハツ戸塚泉店前では毎週、高齢者がほうきやごみ袋を手に同店の花壇や路上を清掃する姿が見られる。清掃するのは近隣にある(株)NGUの介護事業所・生活維持向上倶楽部「匠」に通う認知症の高齢者だ。同店から謝礼を受ける有償ボランティアとして2020年12月から活動に励んでいる。

 活動は週1回。暑さが厳しい真夏や悪天候時を除いて毎週2人が管理者とともに50分程度清掃する。この日参加したのは50年以上居酒屋を営んでいたという男性と土いじりが好きだという男性。歩道や植え込みのごみを拾い、吹き溜まりの落葉を袋いっぱいに集めた。また、店舗前の花壇には事業所で作った竹筒を設置。今後、花を植える予定という。「活動する姿を見て認知症の人でもできることを知ってほしい」と匠の管理者・西田大輔さんは話す。

互いにメリット感じ

 同事業所は認知症高齢者の「やりたい」という思いを生活動作の中に落とし込んで機能訓練とし、認知症の進行や機能低下の予防に繋げている。様々な活動をする中に近隣公園の美化活動があることを知ったダイハツ戸塚泉店が有償ボランティアを依頼して活動が始まった。

 店舗前の歩道沿いにはケヤキの街路樹が並ぶ。「落葉の時期は社員だけでは掃除が追いつかないので助かっている。花壇も彩り豊かになるのでありがたい」と鈴木亮太店長。匠の西田さんも「謝礼を頂くことでやりがいも増している。受け取ったお金で焼酎を買うのを楽しみに参加しているメンバーもいる」とWin-Winの関係だ。最近では「いつもありがとう」と道行く人から声をかけられることも。これからも活動に精を出していく。

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