泉消防団(石井正志団長)の昨年度入団者数60人が、横浜市内18区全20団中で最多となり、定員に対する充足率もここ数年で最高の95・6%に上ったことがわかった。団関係者らは「熱意ある方たちが入団してくれた。今年度こそ100%を目指す」と意気込む。
消防団は、自営や会社員、学生、主婦といった普段は本業を持つ地域住民らが、災害時などに消防・救助活動を行う非常備の消防機関。市内には20団が設置されており、泉区では戸塚区から分区した1986年から組織されている。
最低から奮起
消防団の定員は条例で定められており、泉区は480人。管轄地域の面積など人口ベースではないため、世帯数が倍以上ある神奈川区の430人と比較しても大きい数字だ。
泉消防団は2021年4月1日時点で充足率85・2%と、定員に対し71人不足。市内最低を記録していた。
こうした状況に危機感を募らせ、団では「仲間を増やそう」と団結。有志約20人で広報団員確保部会をつくり、団員増加の取り組みを進めた。
女性、若年層にも焦点
同部会では、活動周知のため消防団募集チラシを作成。自治会や事業所の協力で直接説明の機会を設けるなど奔走した。
市内で2番目の少なさだった女性団員数についても、現役女性団員をモデルにポスターを制作するなど勧誘を強化。消防署もホームページを年30回更新するなど支援し、若年層向けの広報も充実させた。
また同団では、市内でも例のない取組として、入団前に実際の活動を知ってもらおうと体験の場を提供。昨年度は20人以上が体験後に入団したという。消防署は「活動を理解したうえで入団することで継続性にもつながる」と評価している。
こうした活動が実を結び、昨年度一年間で60人が入団。市内でも最多となった。入団者のうち4割にあたる25人が女性、高校生3人、大学生5人と若年層も増え、バランスの良さも際立つ。
石井団長は結果を受け、「一年かけ、団員たちが地道に思いを伝えた成果」とし、「熱意のある人たちが入ってくれた」と喜ぶ。一方で、目標とした充足率100%には届かなかったことから、「いざという時に消防団は必要。縁の下の力もちとして力を発揮できるように、今年度こそ100%を」と話した。
泉区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|