よこはま子ども国際平和スピーチコンテストが8月11日、市教育文化ホールで開催され、ノエル ジョシュア君(上飯田中学校3年)の「心は言葉をこえる」が市長賞に選出された。
市内の児童生徒5万名以上が参加した同コンテスト。本選には区予選を突破した37名が出場した。
会場では「国際平和のために、今自分にできること」を共通テーマに、東日本大震災を通して見えてきた世界とのつながりなど、さまざまな視点から子どもたちの国際平和への熱い思いが発信された。
ノエル君ら市長賞に選出された小中学生4人は、本選に出場した37名のリーダーとして、平成23年度よこはま子ども国際平和プログラム「子ども実行委員・よこはま子どもピースメッセンジャー」として、平和募金の呼びかけ等の活動に取り組む。
「心は言葉をこえる」(スピーチの概要)
「陸地に打ち上げられた船。つぶれてしまった家。屋根だけが残った寺…。どこも同じような風景。音はない。5月4日、僕は石巻の海辺にいました。
魚の腐敗臭。石油の強烈な臭い。頭が痛くなる。いつもの海のにおいがしない。小さな学校の時計は3月11日のあの時間で止まっている。散乱した上履きを見たとき、胸がつぶれそうになった。逃げまどう子どもたち、助けようとしただろう先生たちを思い浮かべた。
僕は父の仕事で3年前フィリピンから日本に来ました。まさか安全で平和な日本にこのような大災害がおきるとは思ってもいませんでした。
両親はボランティア活動に積極的で、震災の3週間後にはすでに被災地に入っていました。そして5月、自分にも何かできないかと想い、東北に行きました。「何か手伝うことはありませんか」とスコップやほうきを手に家々を回り、泥かきをし、たまったヘドロを袋につめて運びました。自分のやっていることで、みんなが喜んでくれたのが伝わってきて、うれしくなりました。
外国から来たボランティアの人々、日本語も分からない彼らが、被災者に話しかけ、一緒に作業をしている姿が目にとまりました。
僕が日本にきた当初、自分は日本人と違う、となんとなく孤独を感じ、日本から逃げ出したいと思ったこともありました。
しかし、被災地でおじいちゃんやおばあちゃんが笑顔で外国人ボランティアとハグをしている姿を見て、僕の中の日本が変わりました。災害がおきたことは残念で悲しいことがですが、その状況の中でたとえ言葉は通じなくても、心でコミュニケーションすれば、絶望している人々に「自分は一人ではないんだ」というぬくもりを与えることができると実感したのです。
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