特別養護老人ホームと教育連携 老学連携シリーズ【6】 介護実習を体験して〜東北福祉大学 緑園都市睦愛園施設長 志澤秀一
教科「情報」の非常勤教員とし県立高校で教鞭を執っている先生が、通信教育による「福祉」の教員免許取得を目指し、生徒の夏季休業期間を利用して、10日間の介護実習体験を緑園都市睦愛園で行いました。実習終了後、次のような感想を寄せてくれました。
「私自身、昔から福祉という世界に興味があり、教科というよりは、仕事として考えていました。机上での知識は少なからずありましたが、実際に実習を体験していくと、机上での知識との差に正直驚きました。 実習では介護士としての基礎的な移乗、車イス、食事介助、排泄介助等に関して、学ばせていただいたのですが、それ以上に実習を通して温かい「家族」というものを学ばせて頂きました。介護スタッフの皆さんは利用者の方々の顔の表情まで見て、その利用者に合わせてお世話をしている姿に「愛」というか素晴らしいという感情を持ちました。それはもはや仕事という枠を超えて、ひとつの「大家族」のように見えました。この経験を今後の教育活動に活かしていきたいと考えています」
福祉大学生(通信教育)の介護実習を受け入れ、10日間の実習カリキュラムの作成には時間がかかりましたが、高校教員が体験した介護実習が、今後の教育活動に活かされることは、大変意義があることです。
このように「老学連携」が様々な形で展開していくことは大変嬉しく思います。今後さらに深化・発展していくよう取り組んでいきたいと考えています。
〈著者〉志澤秀一。県立山北高校と大磯高校で校長を務める等、教育現場に長く携わってきた。その経験を生かし、同園施設長として「老学連携」を図っている。