優れた技術・技能を持つ技能者等をたたえる23年度神奈川県技能者等表彰式が11月29日、県立音楽堂(西区)で行われた。泉区からは和泉町の山村染織工芸、山村助成さん(77)が唯一選出され、黒岩祐治知事から表彰を受けた。
県が行う技能者表彰には卓越、優秀、青年等がある。山村さんは今年度、染織・仕上工の第一人者として評価され、「神奈川の名工」と呼ばれる卓越技能者30人に選ばれた。
染織業に長年従事し、優れた技能をもって職務に精励して、常に技能の向上に努めていることや、後進指導に優れた成果をあげるなど、技能の振興に尽くしたことが選出理由となった。
「物づくりをする人にとって、この上ないと思われる朗報でした。公に認めてもらうのは励みになる。小さい頃から絵を描くのが好きで、支援していただいた方々の期待に微力ながら答えられたと思う」と、山村さんは受賞を喜ぶ。
表彰式にともに参加したチセ夫人については「男が描けない作品ができる。長年の熟練でアマからセミプロ、プロフェッショナルになった」と評価する。
平成17年度には横浜マイスターに選出されている山村さんが考案した「手描き染め」の技法は、手仕事の味わいを出しつつも大量生産を可能にした画期的な技法として国内外から評価されている。
約100年の伝統を誇る「横浜スカーフ」の染織も手がけており、02年日韓ワールドカップでは墨流し染めしたスカーフが記念品として採用された。
山村さんは、パリの国際サロン展や上海美術館をはじめ、欧米など海外での評価が高いことでも知られる。
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