駅からいずみ遊歩シリーズ㉑ 泉(オアシス)探訪 川沿いの神社と寺巡り ※協力・オアシス21世紀の会
いずみ野駅を出て、松陽高校方向へ伸びる商店街を行くといずみ野団地5号棟前と書かれた信号がある。左折すると閑静な住宅地の横に八幡神社がある。階段を下りた右手に鐘楼がある。窪地と鐘楼も神社には珍しい。何でも大正の中頃、近くの高台から遷座されたと聞く。
神社の入口後方にいずみ野線が通っている。その下を抜け、右側を流れる和泉川に沿って歩く。川が大きく蛇行し、畑が広がる。道なりに進むと並木谷戸町内会館がある。その坂を登った森の中に、少し寂しげに正方寺が建っている。今は無住だが本堂横に並ぶ数基の卵塔が、栄えた時代を物語っている。
もとの細い通りを西へ行くと突き当りは和泉川遊水地である。和泉川に架かる宮下新橋を渡り左に曲ると対岸に桜並木が続く。満開の頃は訪れたい場所だ。
右手に白い鳥居が見えた。急な石段を登ると明るい雰囲気の佐婆神社がある。樹齢300年とも言われるタブノキがそびえる。周りに残るいくつかの巨木の切り株から、往昔は樹木の茂る森であったと想像される。先ほどの道を南に進むと雑草を取っているおばさんがいた。「おかげで快適な散歩ができます」と声をかけると、無言の笑顔が返ってきた。もう長後街道、前方にいずみ中央駅がある。 (文・写真=竹村茂)