梅林でジャガ餅作り企画を行う「野遊び塾」の代表 翠川 宣子さん 上飯田町在住 75歳
「泉の宝」を次世代へ
○…泉区の自然と親しむ「野遊び塾」の代表を務めて12年、参加者が楽しめる企画を考え続けている。草木染や手作りうどん、夏休みには昆虫教室も。「夜8時に集合して、セミの羽化をみんなで見守ったこともあったよ」と、バラエティーに富んだ活動を振り返る。新橋町の梅林で22日に「ジャガ餅を作ろう」を企画。過去にパエリアを作ったこともあり、自然に囲まれながら料理をする予定だ。
○…泉区の歴史や伝承を調べ「郷土いずみ」という冊子に残す活動を行う泉区歴史の会の会長を5年間務めた。これまでの活動の中で印象深いのは、2009年に横浜開港150周年を記念し赤レンガ倉庫で開催された資料展。泉区に代々暮らす家に頼んで古いアルバムや資料を読み漁り、養蚕産業の様子など新たな記録を発掘した。「せっかく貴重な資料が残っているのに、当の持ち主は気づいていないことが多い。もったいない」と話し、「伝承や記録は地域の宝物。泉区の人たちにぜひ知ってもらいたい」と熱を込める。
○…長野県出身。上京した後、故郷に戻るも結婚を機に再び関東へ、横浜の地に落ち着いた。泉区の歴史を調査するきっかけを尋ねると「長野県民の意地だね」と意外な言葉。「泉区伝承の人物、泉小次郎は長野県出身で、彼にまつわることを正しく記録したい」との思いが原動力だった。「ここまで続けられたのは人に恵まれたから。自分は(古い記録などを)うまく引っ張り出す役だねぇ」と朗らかに笑う。後から思いがけない情報が寄せられることもあり、地域の人との縁に感謝する日々だ。
〇…区内の史跡や地名、伝説や由来を散策マップとして残すことが次なる課題。資料を提供した小中学校の生徒から、見に来てほしいと文化祭の招待状が届いたり、野遊び塾での突飛な質問に驚かされたりと、子どもたちとの交流が楽しい。「泉の宝」を次の世代へと伝える活動は続く。
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