泉区民生委員の会長を務める 内藤 義幸さん 上飯田町在住 75歳
笑顔と元気の配達人
○…区内12の地区に185人が所属する民生委員。住民目線で相談に応じ、社会福祉の増進に努める。町内会長の推薦を受けて早25年。気付けば一番の古株になっていた。一人暮らしの高齢者を対象にした見守り事業は3年目になるが「家を訪問して全員が喜んでくれるわけではない」。状況が異なる相手といかにして信頼関係を築くか、試行錯誤が続く。
○…生まれも育ちも上飯田。鉄道などの発達により交通の便は良くなったが、畑や山、川の自然は昔と変わらず「生活するにはいい町」。大学卒業後は都内の広告代理店に勤務するも、父親の他界を機に地元へ。周囲の勧めや団地の建設もあり、33歳で上飯田幼稚園を開設。「顔の見える幼稚園」をテーマに親と子どもの顔が一致するように努めてきた。社会奉仕活動を行うロータリークラブの創設や障害者支援施設「四季の会」の理事長など様々な仕事を兼務する力の源は、生まれ育った土地への恩返し。「大きな目で見れば、これらすべてが福祉」。すべての年代をカバーするものが福祉と考え、地域で過ごしてきた時間の長さが奉仕の精神につながっている。
○…軽トラックで高齢者宅のそばを通ることが自己流の見守り。定期的に訪問回数を重ねて関わりのきっかけを探る。「安否を確認できればそれだけでいい」と穏やかに語るが、「お年寄りの寂しい顔を見るのが辛い」とぽつり。孤独死を聞くたび心が痛む。「情報をオープンにして、助け合える環境にしていきたい」。役所やケアプラザ、各区と連携して、個々に応じた最良の方法を練る。
○…今後はより一層高齢者の人数が多くなる。住みよい町づくりのために「我々が明るくなくてはいけない」とキッパリ。誰もが楽しく生活できる環境のために、まずは支援者が元気であるべきと持論を展開する。地域に笑顔と元気を届け、隣近所が助け合う、心が通う町を目指す。
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