投票率向上に向けてこのほど成立した改正公職選挙法。選挙年齢が18歳以上に引き下げられる見通しの今夏の参議院選挙を控え、横浜市選挙管理委員会は選挙期間中の7月4日・5日を想定し、慶応大日吉キャンパス=港北区=に期日前投票所を設置する準備を進めている。
政令市初
「18歳選挙権」が導入されると、大学生は原則有権者となる。若者の投票率向上に重点を置く市選管は、慶応大日吉キャンパスに協力を依頼し、期日前投票所の設置を決めた。経費は約200万円で、大学に設置するのは政令市で初めて。
「日吉キャンパスに通う学生は1年生が中心。近隣には高校も多いので若者にアピールしやすい」と市選管の担当者は話す。最寄りの日吉駅は、東急東横線と横浜市営地下鉄の乗り継ぎ駅。慶大生以外の同区内の有権者も投票するため、利便性も考慮された。投票所は7月4日・5日の2日間、午前9時30分から午後8時までの開設を予定している。
2013年参院選の投票率をみると、市全体の投票率が55・54%だったのに対し、20歳代は36・59%と19ポイントも低かった。市内の有権者数は約300万人。参院選から新たに18歳・19歳の約7万人が加わる予定で、若者の投票率向上は喫緊の課題だ。
期日前投票所の設置を巡っては、「投票数が分散するだけだ」との批判的な声がある一方で、若者の政治教育に詳しいNPO法人Rightsの高橋亮平代表理事は「投票率の側面だけをとらえるのでなく、若い人が選挙や政治と接点を持つ場として大学には大きな可能性がある」と評価する。
駅・商業施設は見送り
6月19日の改正法施行後は、駅や大型商業施設などの人が集まる場所に「共通投票所」を設置することも可能となる。各自治体の判断で設置することができるが、導入を表明している政令市はない。横浜市も「二重投票を防ぐシステム開発に多額の費用がかかる上、技術的にも難しい」として、今夏の参院選での開設を見送る方針を決めた。
市選管は今後、横断幕やポスター、「広報よこはま」などで周知を図るほか、市立高校2校で実際の参院選を用いた「模擬選挙」を行うなど、若者への投票率向上を図る計画だ。
市選管事務局の橋本幹雄選挙課長は「慶応大の期日前投票所の設置はあくまで試行。今回の結果をみてから、共通投票所などを含めた検討を始めていきたい」と話している。
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