チョークアートで地域に元気を届ける 池澤 寧音(ねね)さん 中田東在住 18歳
希望を胸に、想いを絵で
○…「不安な毎日の中、大好きな絵で少しでも和んでもらえたら」。それが、久しぶりにチョークを手に取ったきっかけだった。キャンバスは、かつて両親が営んでいた写真店の窓に貼ってあるボード。頑張ろうのメッセージや医療従事者への感謝を込めて、カラフルなイラストを目一杯描きこんだ。足を止めて見てくれた地域の人たちとの思いがけない交流も生まれ、地元の温かさを改めて感じている自分がいる。
○…「生き方の幅を広げたい」。持ち前のチャレンジ精神で、当初は考えてもいなかった「海洋科学」を専門とする高校へ進学。マグロ漁をしながら三崎からハワイまで約2カ月かけて航行する実習など、3年間、航海術や運用術を本格的に学んだ。一級小型の免許を取得しており、横浜港を操船した経験も。厳しくも楽しかった学校生活は、これからの自分を支える宝物だ。
○…この春から、クルーズ船を運航する企業に就職。入社2日目から在宅勤務で、歯がゆさを感じながらも「自分に今、何ができるか」という想いが常に頭にあり、思いついたのがチョークアート。幼い頃から絵を描くことはもちろん、映画やミュージカルなど表現する世界が大好き。それらが持つ、人の心を時に支え、時に勇気づけるエネルギーを信じるからこその一歩だった。
○…今回、描いた大きな月と太陽のモチーフには、それぞれ父と母の姿を重ねた。カラフルでポップな作風だが、自身の表現スタイルは無限大。「同じモチーフでもタッチひとつで全く別の表情を見せるのが面白くて」。見るもの、聞くもの、感じること、その全てを自身の引き出しへと変えていく。その原動力は、若さと好奇心からくるのかもしれない。
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