横浜市幼稚園協会の会長に就任した 鈴木 浩さん 泉区在住 54歳
学びの根っこを育てる
○…子ども・子育て支援新制度の施行や幼児教育・保育の無償化など、この5年間で一変した幼稚園教育の現場。加えて新型コロナウイルスの流行という難局とも向き合う中、「子どもたちが心身ともに健康に育ち、主体的な学びの場である幼稚園のあるべき姿を考えていきたい」と、会長としての抱負を語る。
○…幼稚園を経営していた父親から誘いを受け、大学卒業後に3年間勤めた銀行から教育の世界に転身した。「当時は子どもと接するのが得意じゃなくて」という考えは、25歳で長男を授かり子育てを経験するようになったことで一変。「子どもたちと共に成長することができる喜びは、この仕事の醍醐味。子どもたちが大きくなっても、園で築いた思い出はきっと心の中に残っているはず」と穏やかに話す。
○…「子どもたちが園での生活を通していかに遊びこめるか」。遊びの中から言語や社会性、人間性、知識を身につけるための興味やアイデアを引き出すことが、自身の教育観の要諦という。「泥団子作りに失敗したら、『なんで失敗したんだろう』と疑問を持ち、深く考える。砂場遊びでも、他のお友達と仲良く遊ぶためにはどうしたら良いのかを、子どもたちが主体的に考える。幼稚園は、学びの根っこが育つ場なんです」
○…数カ月ぶりに園庭で遊ぶ子どもたちの姿に、「当たり前だった日常が、こんなに幸せなことだったんだと実感します」と目尻を下げる。入園が6月に延びたことから、「2カ月間の空白を埋めるためにも、今まで以上に丁寧に触れ合っていきたい。新しい生活様式の実践に向けて、保育の仕方も細かな部分から見直していかないと」。山積する課題も、より良い学びの場につながるステップと考えている。
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