落雷被害の低減を目指した製品の開発等を行う和泉町在住の松本敏男さん(株式会社落雷抑制システムズ代表)。「泉区の落雷被害を減らしたい」という熱い想いから、これまで区内に計3本の避雷針を寄贈している。
近年増加傾向にある落雷被害。区内でも2014年には中田中央公園(中田町)で、グラウンド整備中の男性2人が落雷により感電する事故が発生。また昨年5月には東中田小学校(中田東)の校舎の一部が落雷で破損。飛散物により体育館窓ガラスが破損するなどの被害があった。
みなとみらいに本社を構える松本さん。区内での落雷事故に胸を痛ませ「地元、泉のために何かできないか」と自社製品である落雷抑制型避雷針「PDCE」の寄贈を市に提案。2015年からこれまで、被害のあった同公園に1台、同小学校に2台、計3台を無料で設置している。
従来の避雷針は先端から「お迎え放電」というものが発生し、あえて雷を落とさせる仕組みだが「PDCE」は全く反対の発想。雷雲下部の電位と反発する電位を先端の球面から流すことで、雷自体を引き寄せず、周囲に落としにくくできるという。現在、新市庁舎をはじめ市内に35台、全国では歴史的建造物や地球探査船上などに合わせて2600台が設置されている。
起業して10年。全国出張で多忙な毎日を送っている。自然相手に「絶対」はないが、落雷被害の低減に挑戦すべく今後もシステムの改良を重ねていくという松本さん。「社会課題に挑戦し続けることがエンジニアの使命です」と力を込めた。
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