美術公募展「県展」で県知事賞を受賞した 中丸 彰子さん 新橋町在住 72歳
飽くなき探求心筆にのせ
○…県内の美術文化の発展を図り1962年から続く美術公募展「県展」。約20年前から応募を続け、大賞に次ぐ自身最高位の県知事賞を受賞した。受賞作「想…」は約1m30cm四方のキャンバスにバラとダリアを水彩の淡い色遣いで幻想的に描いたもの。一部分をあえてモノクロにするなど、工夫とこだわりが詰まった大作だ。「迫力を出すために自分史上最大級の作品にチャレンジした。目指すは大賞ですね」とにこやか。
○…新橋コミュニティハウスで絵画教室を開いて約10年。生徒たちと会話を交わしながらアートを楽しむひと時は新たな発見や学びがある大切な時間だ。更なるスキルアップを目指して自身も教室に通い続けるなど研究熱心。「今習っているのは風景画。奥行きの表現など水彩画にも生かせる技法が沢山ある」と常に学ぶ姿勢を忘れない。
○…小田原生まれ。学生時代はソフトボール一筋で、結婚を機に泉区に移り住んでからは区内でチームを組んでいたことも。子どもが通っていた中学のPTAのイベントで絵を習ったことをきっかけに本格的に水彩画を学ぶようになった。「にじみやぼかしなど多彩な表現技法で自分の世界を描き出せるのが最大の魅力」と語る。次回の出展は7月。雨のみなとみらいをテーマに新作を描き上げる予定だ。
○…週末になると泊まりにやってくる小学4年生の孫。自然と水彩画に興味を持ち始め、今では専門技法を用いた本格的な作品を描くように。いつも柔軟な発想に驚かされ学ぶことも多いとか。不意に開いて見せた今年の県展の出展目録。ジュニア部門の受賞者一覧に記されているのは孫の名前だ。「今回は色々な意味で特別でした」と笑う横顔はどこか誇らしげだった。
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