神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

LINKAI横浜金沢特別インタビュー 人が集う産業団地目指し

社会

公開:2023年3月9日

  • LINE
  • hatena

 金沢区の臨海部に位置する「LINKAI横浜金沢」は、1000社を超える企業・事業所が集積する産業団地。今回はLINKAI横浜金沢が誕生するはるか前から、この地域の企業を支えまとめる横浜市金沢団地協同組合(金沢団地組合)の榎本英雄理事長と、一般社団法人横浜金沢産業連絡協議会(産連協)の沼田昭司会長に話を聞いた。

 ――金沢臨海部の産業団地は1967年の根岸湾埋立事業第2期「ハ地区」の埋立工事から始まった横浜市の3つの埋立事業で生まれました。まずはそれぞれの団体の概要をお教えください。

 榎本――1971年に根岸湾埋立事業で誕生した鳥浜工業団地は、住工分離を目的とした公害対策として、横浜市内から移転してきた中小企業が集積しています。そうした企業を支え働きやすい環境づくりを推進しているのが、横浜市金沢団地協同組合です。約140社あり、昨年50周年を迎えました。

 沼田――根岸湾埋立後、金沢地先埋立事業で生まれた幸浦・福浦地区の「金沢産業団地」に立地する企業・事業所のまとめ役として、産連協が設立されました。600社を超える会員企業が相互の連携を密接に図ることで団地産業の振興・発展に取り組むとともに、会員企業従業員の福利厚生の充実を図ることを目的にしています。

 ――日本でも有数の産業団地ですね。

 沼田――はい。これだけの数の中小企業が集積している地域は珍しいと思います。でも、まだ現実には企業集積のメリットが生かし切れていない。隣の企業が何をしているのか、知らないこともあるようです。ビジネスでもっとつながることができれば、経済波及効果も大きいはずです。

積み重ねが未来に繋がる(榎本)

 榎本――金沢団地組合は、「明るく元気な団地づくり」を掲げて活動してきました。結束力はどの組合にも負けないと自負していますが、それは一朝一夕ではできないこと。昔から組合企業の経営者らが鳥浜経営研究会に参加し、国内外で研修を行い交流を深めてきました。その積み重ねで、何かあった時に快く協力してくれる関係を構築してきました。

 ――2015年に金沢団地組合と産連協などから成る「金沢臨海部産業活性化研究会」が設立され、金沢区や市経済局と一体となって、活性化を検討。17年に活性化プランが策定され、翌年、LINKAI横浜金沢という名称も生まれました。変化はありますか?

 榎本――それぞれの歴史があり、こだわりがあるから、目立った結果が出るには時間は必要でしょう。でも今の若い人たちはこだわりが少ないので、時代が変われば、もっと交わって変化していくだろうね。

垣根を越え力を合わせて(沼田)

 沼田――LINKAIという名称を認識してくれる人は増えたと感じます。今まで金沢団地組合との交流は多くなかったけど、そういう芽が出てきているよね。例えばビジネスグランプリやAozoraFactory、テクニカルショウなど、各団体の垣根を越えて一緒に取り組むイベントが増えている。やっぱり若い人にはそんなに垣根はないんじゃないかな。最終的に一緒になれれば。

 ――団地内には、高い技術力を持つ企業やユニークな取り組みを進める企業など様々な企業がありますね。

 榎本――ピカリと光る技術や発想を持つ会社がキラ星のごとくあるんです。こうした可能性がある企業と若い人たちを後押しするような、前向きなPRをしていくことが、私の仕事の一つ。でも、ものづくりや工業は一般の方々に届きにくいのも事実で、3Kのイメージは未だに根強いでしょう。団地内の美化などに努めて操業環境を整えることも必要です。

 ――金沢団地組合では06年から、バス通りに面する企業が参加する「バス通り花壇活動」が始まりました。

 榎本――今では団地のいたるところで、花植え活動が見られるようになりました。これからは、ハードとソフトの両面で時代にふさわしい環境を作っていくことが求められます。自分の家の前を掃除するのと同じように、自分が働く会社の前、団地内をきれいにしていく意識を浸透させていきたいです。

 ――産連協も清掃活動などに積極的です。

 沼田――毎年行っている団地内の清掃活動は年々参加者が増えて、今では100人以上が参加してます。ここで働く魅力としては、技術力の高さや交通アクセスのよさがあげられます。19年の台風被害では、幸浦・福浦の多くの企業が被災し、非常に厳しい状況に追い込まれました。そんな中、国や横浜市からの迅速な支援などをもあり、産連協が中心となって、一丸となって復興に取り組みました。災い転じて福となす。危機を乗り切って信頼感が強まり、より結束力が強まったように感じます。

 ――区内には横浜市立大学と関東学院大学の2つの大学があります。

 沼田――産学連携が推進できる土壌があるということ。交流を技術開発など、もっと利点を生かせればいいなと思っています。また、団地内にはグラウンドも複数あるので、スポーツの面でも交流したいですね。

 ――榎本理事長は大学での講演も積極的に行っています

 榎本――金沢臨海部に産業団地があることを知らない学生もいる。いい会社の見分け方を話したりすることで、団地のよさも伝わると思う。その先に、雇用などが生まれればさらにいいと思う。

 沼田――中小企業に人材がくるのは難しい。人材確保と共に、省力化や自動化を進めることも大切です。

 ――最後に、これからの団地の未来について。

 沼田――ワンフォーオール、オールフォアワンの精神で連携を深め、魅力あるLINKAI横浜金沢にしたいですね。

一般社団法人横浜金沢産業連絡協議会沼田昭司会長
一般社団法人横浜金沢産業連絡協議会沼田昭司会長
横浜市金沢団地協同組合榎本英雄理事長
横浜市金沢団地協同組合榎本英雄理事長

金沢区・磯子区版のローカルニュース最新6

桜木町駅前で6月1日、水道週間イベント 漏水修理体験など

磯子区の新杉田公園で6月1日は楽しく防災・防犯を考えよう

磯子区の新杉田公園で6月1日は楽しく防災・防犯を考えよう

車両展示や体験、スランプラリーも

5月25日

横浜港・本牧ふ頭でヒアリ1千匹超を確認

横浜港・本牧ふ頭でヒアリ1千匹超を確認

国内での確認は今年初

5月24日

横浜市がクールシェアスポットを募集

横浜高校野球部元監督の渡辺さんが講演

横浜高校野球部元監督の渡辺さんが講演

金沢区で7月7日、社会を明るくする運動

5月24日

女性起業家販売展示会の出展者を横浜市が募集

女性起業家販売展示会の出展者を横浜市が募集

市役所で9月開催、百貨店出店のチャンスも

5月24日

あっとほーむデスク

  • 5月16日0:00更新

  • 5月2日0:00更新

  • 4月25日0:00更新

金沢区・磯子区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月25日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook