女性初のドアマン誕生 ニューグランド 能見台の安原さん
「制服着ると自然と身が引き締まります」と安原さん
ホテルニューグランドの前で、笑顔がひときわ輝く女性が出迎えてくれた。創業85年の歴史あるホテルで、初めての女性ドアマンとなった安原萌さん（27）＝能見台在住＝だ。体格の良い男性ドアマンに比べ、身長１５３cmと小柄だが、スッと背筋を伸ばして車を誘導する姿に、女性らしい凛とした雰囲気が漂う。
ホテルの専門学校時代に実習でドアマンを経験し、「お客様を一番最初にお迎えする、”ホテルの顔”となる仕事」に魅了された。入社当初からドアマンを志望したが「女性は前例がない」と、配属はホテル内にあるカフェに。約５年間、会計やケーキの販売を行った。「接客の仕事は楽しいけれど、ドアマンへの夢が叶わないなら…」と一旦は大手コーヒーチェーンへの転職を決心。しかし、男性ドアマンの「ドアマンやりたかったの？やればいいのに」という何気ない一言に背中を押され、最後の望みをかけて、再びドアマンへの熱い想いを会社に伝えた。笑顔を絶やさない明るい接客にファンも多かった安原さん。その人柄やこれまでの仕事ぶりが評価され、前例を覆して女性ドアマンとなることを認められた。
念願のドアマンへ転身してから３カ月。「今は何をやっても楽しい。心配して何度も私の仕事を見に来てくれる常連さんもいるんですよ。山下公園の緑や海を見ながら仕事ができるのも幸せ」と嬉しそうに微笑む。 目下の目標は、お客様の顔や名前を一人でも多く覚えること。「先輩たちを見習い、ニューグランドの名に恥じないよう頑張りたい」。溢れる情熱を笑顔に変え、”真のドアマン”を目指していく。
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