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【Web限定記事】タウン記者がゆく ハマっ子はなぜシュウマイが好きなのか? シュウマイ文化をひもとく講座にファン約180人が参加

文化

公開:2023年7月13日

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シュウマイを知り尽くす講師3人(右からシュウマイ潤さん、西村浩明さん、山本篤史さん)
シュウマイを知り尽くす講師3人(右からシュウマイ潤さん、西村浩明さん、山本篤史さん)

 「シウマイから見るシュウマイ文化」講座が7月8日、神奈川大学みなとみらいキャンパスで開講された。同大学では生涯学習の充実を目的に2004年にエクステンションセンター「KUポートスクエア」を創設し、企業で働く現役世代や離転職者、地域住民などに向けた実践的な知識や技術など幅広い内容の講座を開講している。今回の講座もその1つで、シュウマイに関心を持つ約180人が受講した。

 講師を務めたのは、(株)崎陽軒=西区高島=ひとすじ22年で、現在は広報・マーケティング部部長を務める西村浩明さん、シュウマイ研究家でジャーナリストとしてTBSの人気番組「マツコの知らない世界」などのメディアに多数出演し、日本シュウマイ協会の代表理事を務めるシュウマイ潤さん、「横浜LOVEWalker」の編集長を務め、2018年に発売された公式ムック本の「崎陽軒Walker」にも携わった山本篤史さんのシュウマイを知り尽くす3人。

 講座では西村さんが崎陽軒の「シウマイ」の歴史や誕生秘話、おいしさの秘密、これまでに企画されたコラボレーションを紹介した。また、地域とのつながりを深めるために、初代社長の出身地・栃木県鹿沼市でシウマイでの街おこしに取り組んだり、2022年には台湾でイートイン店を開業したと説明。

 シュウマイ潤さんは、開国後の横浜南京町(現横浜中華街)で広まったシュウマイを第1世代、冷凍食品やチルド商品の進化により一般家庭や給食で普及したシュウマイを第5世代、シュウマイをメインとした店の登場や別のジャンルのシェフが作るシュウマイが増加している2018年以降を第7世代などと、日本のシュウマイ文化の成り立ちを世代に分けて説明。地域ごとのシュウマイの特徴にも触れた。

シュウマイ文化の根強い横浜

 講師から受講者へ横浜の人はなぜシュウマイが好きなのかと問われると、「当たり前に食べていたからどうして好きかなんて考えたことない」「崎陽軒がどこにでもある」「昔の中華街で包みものといえばシュウマイだった」など、会場から様々な声が寄せられた。

 2021年の総務省統計局の家計調査において、2人以上の世帯で平均1世帯あたりのしゅうまいへの年間支出金額が1位となった横浜市。全国的にシュウマイよりも餃子の消費量が多い中、横浜市と川崎市のみシュウマイの消費量が上回った。KUポートスクエアでこれまで開講された講座の中で過去最高の受講人数だったこと、その大半が横浜市出身ということからも、ハマっ子のシュウマイ愛が伝わってくる。

 質疑応答の時間には、崎陽軒は片仮名でシウマイと書くが、シュウマイと表記されるものや平仮名のものなど表記ゆれがある理由について質問があった。崎陽軒では、初代社長の野並茂吉が出身地のなまりで「しゅー」と発音できず「シーマイ」と言っていたことが由来で、「シウマイ」と表記するようになった。それを現在でも使用していると説明。また、シュウマイ潤さんからは、中国から伝わった食文化のシュウマイだが、その地域の文化や広めた人により発音や書き方が異なっており、現在までに統一する動きがなかったため、さまざまな表記が見られると説明があった。※本記事でもあえて表記ゆれを残したままにしておく。

自由さに可能性秘める

 受講した中区在住の60代男性は「当時崎陽軒は横浜駅にしかなかったので、近くの『博雅』や『清風楼』などのシュウマイをよく食べた。幼い頃からシュウマイが身に付いているが、今回の講演で横浜以外にも様々なシュウマイがあることを知って驚いた。ぜひ食べてみたい」と話した。また、泉区在住の40代男性は「祖母が中華街の近くに住んでいた。小さいころからシュウマイには馴染みがあり、崎陽軒のシウマイをベースに育ってきた。今回の講座で、具材などに地域性があり奥深いと思った」と話し、お土産の崎陽軒のシウマイを手に嬉しそうに帰っていった。

 小麦の皮で豚肉が入った具材を包んで蒸すという一般的なものだけではなく、具材にしても調理法にしても多様なものが存在するシュウマイ。マイナーと言われてきたシュウマイだが、ご当地の具材を使用した物や独自にアレンジされた物など日々シュウマイは進化を続ける。講師の3人は「シュウマイと言ったもの勝ちなのではないか」と話す。その自由さにはさらなる可能性を秘めており、今後もシュウマイの食文化の発展には目が離せない。 

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