地球温暖化や過剰漁業などで世界の水産資源が危機的状況にあるなか、美味しい魚介類を将来も食べ続けられるように、今消費者には環境に配慮して獲られたり、養殖した水産物「サステナブル・シーフード」(持続可能な水産物)の選択が重要となっている。
県内で和食料理店を展開する(株)きじま(杵島正光代表取締役)=戸塚区=では昨年から、日本の和食店で初となる「MSC認証(天然)・ASC認証(養殖)」を受けたサステナブル・シーフードの提供を開始している。6月に開店した「日本料理きじま みなとみらい店」=中区北仲通=で10月27日と28日に報道者向け内覧会が行われ、その取組が紹介された。
同社では3年前から「食を通じて持続可能な共同体の創造と発展に寄与する」を経営理念に掲げ、箸や洗剤などをサステナブル化するほか、無添加調味料への切り替え、動物福祉(アニマルウェルフェア)に配慮し育てられた畜産物や有機・自然栽培の米や野菜の利用など、食のサステナブル化を推進。特に海鮮料理が店の「ウリ」であることから、近年はサステナブル・シーフードの導入に注力してきた。
ただ、現在店舗で扱う約40魚種のほとんどが天然ものだが「天然のサステナブル・シーフードを扱う業者がまだ少ない」という課題も。そのためMSC認証比率は全体の約1割に留まるが、「豊かな海を未来に残すため、サステナブル・シーフードの認証比率を上げていきたい」と同社。
事業戦略室長の杵島弘晃さん(29)は「当店はお食い初めや七五三など人生の節目の祝い事に使って頂くことも多い。そんな家族の思いが詰まった場にふさわしい、安心安全で美味しいサステナブルな食を提供していけたら」と話した。
今回お披露目されたみなとみらい店は、店内のカウンターや木の床にFSC認証の木材を使用するなど内装にもサステナブルを取り入れた旗艦店に=写真。サステナブル・シーフードが紹介された小冊子も、全店で無料配布されている。
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