この春から神奈川警察署の署長を務める 久保田 剛さん 神奈川在勤 58歳
組織の要は「人」
○…神奈川警察署長に着任して1カ月。あいさつで地域を回る中で感じたのは地元に愛着を持つ地域の人たちの優しさ。「新参者の私を迎え入れて頂き、ついつい話し込んでしまいました」。現在は休日を利用しながら、管内をくまなく歩いて回っている。「じっくり歩いてみると、普段の勤務の中では見えないものも見えてくる」。元公安課長として培われた「目」で、地域を隅々まで守る覚悟だ。
○…南区出身。高校卒業時に「人のためになる仕事をしたい」と警察官を志した。「仕事の原点」と語るのは、警察学校を経て最初に配属された瀬谷駅前の交番。巡回連絡で住宅地を回っていると「お茶飲んでいきなよ」と温かく迎え入れられた。その後は「若いうちしか経験できない」と機動隊員を熱望。以来、警備畑を中心にキャリアを重ねてきた。
○…署長の経験は葉山署以来2度目。県警HP内の「署長挨拶」には、管内で急増する特殊詐欺や自転車盗への注意を促す文面が並ぶ。「本来は所信を述べる場ですが、思った以上の被害に危機感を感じ、啓発の文面にした」という。サイトで語れなかった組織運営への思いは「組織は『人』」。「警察とはいえ、個人だけの力では戦えない。仲間を大切にしよう」と着任時署員に呼びかけた。困った時に上司や同僚、部下に相談できて、皆で支えることができる組織が理想だ。
○…野球を習っていた息子の影響で、5年前までアマチュア野球の審判員を務めていた。夏の高校野球の県大会では、大和スタジアムや小田原球場のグラウンドに立ったことも。「規則に沿って的確なジャッジを下すことが求められるというのは、警察官も同様ですね」と冷静なまなざしを見せた。
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