神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
川崎区・幸区版 公開:2024年6月14日 エリアトップへ

電子書籍 導入は16自治体 本紙調査 蔵書数、利用数に課題も

社会

公開:2024年6月14日

  • X
  • LINE
  • hatena
電子書籍 導入は16自治体

 行政のデジタル化が進む中、タウンニュース社は神奈川県内の自治体の電子書籍サービスについて調査した。その結果、県内33自治体のうち、16自治体が公立図書館にサービスを導入していることが分かった。

全国平均上回る

 導入しているのは、3政令市や藤沢市、平塚市など、人口規模が大きい自治体が目立つ。一般社団法人電子出版制作・流通協議会が発表した4月1日時点の全国の自治体の電子書籍サービス導入割合は約31%で、県内の約49%はそれを上回る。

 県内導入自治体のうち、電子書籍の蔵書数が最も多いのは、大和市で2万2710。全蔵書に占める電子の割合は約3・3%。蔵書数が400万を超える横浜市でも電子書籍は1万5570で全蔵書の約0・4%にとどまる。横浜市の担当者は「図書館向けに販売されているコンテンツが少なく、紙の書籍に比べても高額」と説明する。導入後の課題に「利用者数が横ばい」(綾瀬市)、「利用率が少ない」(愛川町)を挙げる自治体もある。

川崎市は試行導入

 川崎市は昨年3月から電子書籍を試行的に導入する。蔵書数は5842で全蔵書の0・003%。本格実施に向けて「市民ニーズをふまえた魅力あるコンテンツの購入」、「図書館システムとの連携による利便性の向上、見やすさの改善」、「朝の読書活動等での利用するといった『学校との連携推進』」を課題に挙げる。

コストが懸念

 未導入は17自治体。「電子書籍の利用は回数や期間に制限があり、永続性に欠ける」(寒川町)、「(書籍の)種類が少ない」(大井町)などを理由に現時点で導入予定なしとするのは7自治体。「導入予定がある」は8自治体。時期を示したのは、今年度中に導入予定の横須賀市のみ。ほかの自治体からは「コストを精査する必要がある」(逗子市、清川村)という意見が多い。検討中は2自治体。

識者「館外でPRを」

 図書館行政に詳しく、電子書籍の普及に取り組む専修大学の植村八潮教授(出版学)は「電子書籍の購入・利用費は紙の書籍より高いが、貸し出しに職員が介在しないなど、その先の管理コストが低く済むことを考えるべき」という。利用が伸びないことに関しては「図書館職員が館外のイベントで説明会を開き、積極的にアピールして利用が増えた例もある」と図書館利用が少ない30〜40代などへ向けて認知度を上げるべきだとした。

 電子書籍はデジタル化された出版物をパソコンやスマートフォンなどで読めるもの。高齢化に伴って図書館来館が難しい人などへのサービスとして、広がりを見せる。国の子どもの読書活動推進計画では、学校を含む図書館がデジタル化を進めることを掲げている。

 調査は4月下旬から5月上旬に実施。各自治体に4月1日時点の状況を尋ねる質問を送付し、回答を得た。

川崎区・幸区版のトップニュース最新6

将棋全国大会に出場

古川小黒松さん

将棋全国大会に出場

予選突破へ意気込み

6月20日

オーディオブックを体験

視覚障害者

オーディオブックを体験

「豊かな生活の手段に」

6月13日

溶接競技で初の全国へ

川崎工科高小林さん

溶接競技で初の全国へ

無線部は4年連続の出場

6月13日

マンホールトイレを整備

川崎市

マンホールトイレを整備

市内156カ所に

6月6日

地域活動、さあ始めよう

さいわいSDC

地域活動、さあ始めよう

交流深める意見交換会

6月6日

施設貸出に新システム

市立小中学校など

施設貸出に新システム

利便性向上や負担軽減へ

5月30日

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

川崎区・幸区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

川崎区・幸区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2025年6月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Facebook