津久井警察署の署長を務める 矢部 聡さん 谷ヶ原在住 58歳
「明るく元気に」署を牽引
○…「自然豊かで、地元の人たちの温かみを感じる地域ですね」。着任して3カ月。管内をくまなく歩き、感じた印象だ。津久井署の設立は明治時代と古く、84代目の署長にあたる。「由緒ある署の署長で身が引き締まる思い」と姿勢を正す。署員に日頃からかけている言葉は、”明るく元気に”。「皆さんが訪ねてきた時に雰囲気が暗ければ、気軽に相談にしてもらえないですから」と笑顔で話す。
○…前任は、県警本部の監察官室で民事事件等に携わってきた。それ以前は警備の仕事として、葉山の御用邸で天皇陛下の警備にあたり、登山に同行したことも。一方で、悲しい事故や事件を数多く目の当たりにしてきた。虐待等、身内が関係する事件も増えてきている。そういった事故や犯罪を無くしていかなければと使命感に燃える。その対策として、幼い頃からの安全教育の必要性をあげ、今後、交通課を中心に安全教室などを行っていく意向だ。
○…犯罪抑止には、地域の力も不可欠。行政や関係団体と共に啓発キャンペーンなどを積極的に行い、地域一体となって防犯活動に取り組んでいきたい考え。地域の祭事にはできるだけ参加するなど、地域との密着を大切にする。住民が困っていることがあれば、声を聴き、すぐに適正な対応をすることを心掛ける。年配の人、署に来ることができない人には出張も行う。解決が早ければ早いほど、その人たちが安心して生活できるからだ。「何かあればとりあえず気軽に相談してほしい」と呼びかける。
○…北海道出身。趣味は映画鑑賞と山歩き。毎年、奥さんや同僚と富士山に登る。「自然豊かな所で育ったから自然が好きなんです」。休みの日には管内を歩いて回る。圏央道相模原ICの開通、リニア中央新幹線の計画もあり、管内は大きく変わり始めている。「後の世代のためにも安全で安心な街にしていかないと」。明るく元気な背中で署員を牽引していく。