相模原北消防署の署長に就任した 鈴木 英也さん 中央区星が丘在住 58歳
住民を守る「人情家」
○…都市化が進む橋本地区や、豊かな自然が残る大沢・城山地区を管轄する相模原北消防署。「地域の特性に応じて、様々な災害が考えられる。署員126人が一致団結し、住民を守っていけるようまとめあげたい」と意気込みを語った。
〇…1976年に入局。自宅の近くで土砂災害が起きた時、駆け付けた消防隊員の姿を見て、「自分も人の役に立つ仕事に就きたい」と消防士を志した。20、30代前半は消防隊や救急隊として現場で活躍。その後は市消防局警防課装備係として、救助車や資機材の手配に従事。全国初となる新しいタイプのはしご車の導入にも携わった。その後も市防災協会事務局次長や市内の分署長などを歴任。消防職員によるボランティアとして、介護施設で人情芝居を披露したことも。「国定忠治」役を演じ、「火の用心」を合わせて訴えかけた。
〇…青野原出身。「子どもの頃は川でよく遊んだ記憶がありますね」。中学校から始めた野球は今でも続けており、同局のシルバーチームで軟式野球、自治会でソフトボールを行っている。また「生涯現役でいたい」とフィットネスジムで体を鍛えている。汗をかいたあとのサウナと風呂は格別だという。2歳になる孫と会うのが何よりも楽しみ。「無邪気で癒されます。男の子なので大きくなったらキャッチボールをしたい」
〇…先月発生した熊本地震は震度7の大きな揺れが2度も起きるという想定外のケース。「もし市内で同じような地震が起きた場合の対策を、市や警察、消防団と連携し考える必要がある」。今後は救急車の適正利用の啓発と、橋本駅開発における火災予防対策を重点的に取り組んでいく。仕事で常に意識してきたことは「人情を持った対応」だ。「多くの人に支えられて今の自分がある。『情けは人の為ならず』。自分本位ではなく、困っている人の立場で接するよう心掛けます」。その語り口に、災害に立ち向かう強さを感じた。
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