神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

パラ・伴走者青山由佳さん 「皆で勝ち取った金メダル」 リオの経験糧に献身貫く

スポーツ

公開:2021年9月16日

  • X
  • LINE
  • hatena
日本選手団のブレザーを着用する青山さん
日本選手団のブレザーを着用する青山さん

 東京パラリンピックの陸上女子マラソン視覚障害クラスで金メダルを獲得した道下美里選手(44)の前半の伴走者を務めた、市職員の青山由佳さん(35)=南区在住=が8日、市役所での報告会と記者会見に臨み、笑顔で喜びを語った。

 報告会では、本村賢太郎市長から競技後の様子を聞かれると、青山さんは「(競技の)翌日から走ってます」と笑顔で答え、周囲を驚かせた。レースについては、前半は体力を温存し後半に勝負をかける作戦だったことを明かし、中盤で先頭に立っていなかったとしても「相手のランナーが見える状況でつなぐことを一つの目標にしていた」と振り返った。後半の伴走者に託した後も緊張が止まらなかったといい、道下選手がトップでゴールしたときは「ほっとした」と吐露した。

 青山さんは金メダルの画像や道下さんらとの記念写真などを紹介。それを受け、本村市長は市職員として金メダル獲得に貢献したことに対し、全国から多くの祝福メッセージが届いたことを伝え、「72万市民に大きな感動を与えてくれた、ありがとう」と話した。

道下選手と切磋琢磨

 青山さんは道下選手の伴走者を2015年から務めている。以前、道下選手の伴走者は男性だけだったが、遠征などの際に女性の伴走者が必要に。そこで、身長が144cmと小柄な道下選手の背丈に見合う女性ランナーを探していたところ、ハーフ・フル不問でマラソンレースに出場していた青山さんに白羽の矢が立った。打診を受け、「健常者の女性でもフルマラソンで3時間を切るのは相当難しいのに、目が見えない状況で3時間を切るなんてどんな練習をしているのか会ってみたい」と思ったのが始まりだった。

 2人は「みっちゃん」「(青山さんの青の頭文字から派生して)あおいちゃん」と呼び合う間柄だが、前回銀メダルだったリオデジャネイロ大会では道下選手の精神面への配慮が不十分だったことを悔やみ、「課題ばかりだった」と思い返す。あれから4年が経ち、さらにコロナで1年延期となったことで、時間を決めて互いに同じ行動を取ったり、電話で考えや思いを共有するなどしてこれまで以上にコミュニケーションを深めた。走力の向上にも力を注ぎ、月間800Kmをこなすなど練習量をアップ。心身共に成長を遂げ、本番でも「作戦通り。内容もほぼ完璧なレースだった」

 大会に専念できる環境が整ったことも後押しとなった。市スポーツ推進課をはじめとした職員たちは、青山さんの負担を軽減するため、それぞれ分担して業務を進めるなど協力。「道下さんを支えるチームはもとより、私も職員の方々に助けられ、皆で勝ち取った金メダル」と話し、一丸となってつかんだ成果を強調した。

「世界一幸せな伴走者」

 レース後、道下さんから「最高の伴走者」と称賛されたのを受け、「何て言えばいいか、わからないくらいうれしい」と笑顔がこぼれ、「私は世界一幸せな伴走者です」と充実した表情を浮かべた。東京開催で注目度が高かった今大会。それだけに、周囲からの期待の高さ、多大な応援を実感した。「辛い時はそれが励みになり、乗り越えることができた。関わってくださった全ての方々にありがとうと伝えたい」

 5年越しに道下選手とたどり着いた、世界の頂点。あふれ出る言葉は喜びと感謝に満ちていた。

さがみはら緑区版のトップニュース最新6

22地区を「楽しく学んで」

市印刷広告協同組合

22地区を「楽しく学んで」

ゲーム開発で出前授業

5月9日

自転車振興を後押し

スルガ銀行

自転車振興を後押し

市と連携、独自イベントも

5月9日

災害対策拡充に重点

災害対策拡充に重点

市総合計画推進プログラム

5月9日

障害者へ「合理的配慮」

障害者へ「合理的配慮」

民間義務化も周知に課題

5月2日

4日、5日に大凧まつり

4日、5日に大凧まつり

今年の題字は「稀風」

5月2日

今年も群泳200匹

佐野川こいのぼり

今年も群泳200匹

4月28日から8日間

4月25日

あっとほーむデスク

  • 8月19日0:00更新 文化

  • 1月11日0:00更新

  • 9月21日0:00更新

さがみはら緑区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月11日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook