国土交通省はこのほど、2022年1月1日時点の地価公示を公表した。住宅地、商業地の上昇率で橋本駅周辺の6地点がそれぞれのトップ10に入った。
地価公示は、地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1回、標準地の正常な価格を公示するもの。適正な地価の形成に寄与することを目的に、土地取引価格の指標となるほか、公共事業用地の取得価格算定の規準とされる。公示価格は標準地の1平方メートルあたりの価格となる。
神奈川県内の調査地点は1787地点で、前年から継続は1753地点。選定替は34地点となった。相模原市内の調査地点は131地点、緑区内は36地点。
橋本周辺は上昇バス圏にも波及
県内の住宅地は、継続地点中、上昇地点の占める割合が49・5%(前年25・2%)で、24・3ポイント拡大した。下落地点は下落率が前年よりおおむね縮小。占める割合は27・4%(前年52・4%)で25ポイント縮小した。県全体での平均変動率は0・2%となり、前年のマイナス0・6%から上昇に転じた。
要因として2021年は当初から緊急事態宣言が出されたが、20年のコロナ禍で不動産取引が停滞した状況と異なり、マンション適地や住環境、利便性が良好な住宅地への需要があったことから、地価は平均で上昇に転じた。
相模原市では、市中央部から南部にかけては上昇地点が前年より増加。市平均は下落から上昇に転じた。緑区について県土地水資源対策課の担当者は「橋本周辺、徒歩圏内の外縁部では、東京都心部への直通する京王相模原線の始発駅という優位性があり、住宅需要も堅調。コロナ禍前の勢いは戻っていないものの上昇傾向が継続している」と分析。さらに、バス圏では駅西側の原宿地区等でも、駅周辺の状況が波及しており地価上昇が見られる。県内の上昇率順では橋本駅周辺の4地点がトップ10に入った。
リニアへの期待地価を牽引
県内の商業地は、継続地点中、上昇地点の占める割合が71・1%(前年37・5%)と33・6ポイント拡大。県全体の平均変動率も1・0%(前年0・1%)と0・9%拡大した。
資金調達環境が良好なこと、市街地再開発事業や商業施設の開業が見られる地区では投資需要が見込まれ、平均で地価の上昇率が拡大した。
相模原市の平均変動率は0・9%で、下落から上昇に転じた。同課では緑区について「特に橋本駅周辺は、リニア中央新幹線の事業進捗による駅周辺の整備発展や商業集積の充実に対する期待、上層階を共同住宅として使用できる商業地域では、将来のマンション利用を見据えた需要が地価を牽引している」と見る。個別の地点では、橋本の2地点が上昇率順で10位以内に入った。「橋本2丁目344番1外」は、県内で最も上昇率が高かった。一方で、区内でも橋本から離れた地点では、平均変動率が減少する地点も見られた。
高速道路網整備周辺中心に上昇
工業地については、さがみ縦貫道路の関越、東北自動車道への接続など、高速交通道路網の整備により周辺工業地を中心に地価が上昇している。県全体では2・6%(前年1・8%)で、0・8ポイントの上昇率拡大。緑区では4・7%の上昇となった。
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