写真展「里山の動物」を区内各地で開催している 小川路人(ろじん)さん 緑区橋本在住 68歳
人と動物の共生を考える機会に
○…「ここにある動物たちは全部津久井地域を中心に市内で観ることができるよ」。飾られた写真の中に写るのは、ムササビやモモンガ、フクロウなど、里山にいる野生動物たち。そんな動物の姿を収めた写真展「里山の動物」が今日1日から青野原小学校で開催される。5日からはイオン橋本をはじめ、根小屋小学校、北の丘センターなど、区内各地でも行われる予定。
○…以前は、大手出版社に勤務。子ども向けの絵本や図鑑などの編集・取材のため、日本全国の野生動物や自然環境を観てまわった。野鳥観察などは幼い頃からの趣味。引退した今でもその活動を続けている。昨年には、そうした体験を活かした童話も出版。今回は、現在注目されている里山や動物保護をテーマに、撮り続けてきた動物の写真展を企画。「実際里山には動物が増えすぎて被害も出ている。正しい動物の姿を知ってほしかった。人と動物との共生を考える機会になれば」とその思いを語る。
○…市立環境情報センターの観察員、博物館の市民学芸員なども務め、農業も手掛ける。相模原の里山に育てられた経験から「地元への貢献・交流」を掲げ、地元の子どもたちを招待して自然体験教室なども行っている。そうした活動の中で、現在力を注いでいるのが”フクロウ復活作戦”だ。フクロウが繁殖する樹洞が各地で減り、その数が減少しているため、市内を中心に巣箱を設置。まだ成果は分からないそうだが、「そこに巣を作ってくれたら嬉しいよね」と心弾ませる。
○…「ひとつのことをやると熱くなりすぎてうまくいかない。だから色々なことに首を突っ込んだほうがいい」と豪快に笑う。今後は、里山動物体験記を出版するのが目標。「里山の紹介記事はいっぱいあるけど、その中での体験を入れると面白いと思う。これまでお世話になってきた人たちへの恩返しになるしね」。動物や自然に魅せられた男の探究心はまだまだ続く。
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